「Wii」後継機発売を認めた任天堂--ゲーム業界への影響を考える

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年05月02日 07時30分

 コンシューマーエレクトロニクス企業が自社の既存製品に対して行うことで最も不利になる可能性があることの1つは、その既存製品に取って代わる製品の存在を認めることだ。したがって、任天堂が4月25日、「Wii」の「後継機」を2012年にリリースすると発表したとき、明らかに生じた疑問は、このニュースが、大いに成功したが最近は停滞気味の現行世代ゲーム機Wiiにどのような影響を及ぼすのかということだ。

 Wiiの購入を検討している人たちの中には、いったん財布をしまって新機種が出るまで待つという決断をする人もいるだろう。逆に、新機種が店頭に並んだときにはかなり高額なものになると考え、今あるものを購入しようと店頭へ急ぐ人もいるかもしれない。

 それに、ゲーム機メーカーは任天堂だけではない。Microsoftもソニーも、「Xbox 360」と「PlayStation 3」(PS3)の後継機について何も発表していないが、先々週出回ったうわさでは、両プラットフォームの新バージョンが2014年までに消費者の手元に届く可能性があるという。

 任天堂は25日、新型ゲーム機を2012年にリリースする予定であることを認め、6月にロサンゼルスで開催のE3において、実際にプレイ可能なバージョンを披露し、技術仕様を説明する予定だと述べた。だが、ビデオゲームブログIGNに情報筋が語ったところによると、新機種は現行のWiiに比べてパフォーマンスが大幅に強化される可能性が高いという。現行のWiiは、技術面で上回るXbox 360やPS3といった競合製品に対抗すべく、カジュアルゲームの愛好者に積極的にアピールした。

 IGNの先週の記事には次のように記されている。「新機種はAMDの『R700』GPUアーキテクチャを刷新したものが基盤となり、(中略)PS3のNVIDIA『7800GTX』ベースのプロセッサを上回るパフォーマンスを発揮するだろう。新機種のCPUは、Xbox 360と同様にカスタム設計のトリプルコアIBM『PowerPC』チップセットとなるが、クロックスピードは上がる。1080pの出力をサポートし、3D立体映像にも対応する可能性がある。3Dが主要機能となるかどうかはまだ分からないが」

 複数の業界観測筋に取材したところ、すでに勢いを失いつつあるWiiの販売が大きく落ち込まないよう、任天堂は短期的に、値下げの必要に迫られる可能性が高いという。また、Microsoftとソニーは堅調な販売を続けており、「Kinect for Xbox 360」コントローラと「PlayStation Move」コントローラのリリースでさらに販売が増加しているため、特に何も行動を起こすことなく機が熟すのを待つ可能性が高い。

 確かに現行世代ゲーム機の購入者は、最近は主にカジュアルゲーマーであり、次世代ゲーム機のニュースやうわさに左右されることはあまりない人たちだとその業界観測筋は述べている。

 ビデオゲームブログKotakuの編集長Brian Crecente氏は次のように述べている。「ハードコアゲーマーやアーリーアダプターは、(このニュースを)新しいゲーム機を買うのを見送るべきだというサインと受け取るだろう。しかし、この層の人たちの大半はすでにゲーム機を持っている。より大きいメインストリーム層は、この種のことにはさほどこだわらないように思われる。任天堂は、新型(ゲーム機)が2012年になることを明かした影響で、ある程度販売が落ち込むのは間違いない。だが、初めてゲーム機を購入しようという人たちにとっては、PS3とXbox 360の新機種を2014年まで待つのはいかにも長い」

任天堂は4月25日、「Wii」の後継機を2012年にリリースすると発表した。ゲーム機ビジネスに対するどのような影響が考えられるだろうか。 任天堂は4月25日、「Wii」の後継機を2012年にリリースすると発表した。ゲーム機ビジネスに対するどのような影響が考えられるだろうか。
提供:任天堂

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