10万円以下の軽量・小型PCをどう見るか?--出そろった小型ノートPCを比較 - (page 2)

性能で選ぶならAtomプロセッサ搭載機種だが……

 出そろった各機種を見てみると、価格やスペックも似ているところも多い印象を受けるかもしれない。Eee PCをはじめ海外ではLinuxを搭載したバージョンもあるが、国内ではすべてWindows。特にASUSのEee PCはSSD搭載で、保存容量が少ないために使い方に工夫が必要。それ以外は通常のHDDなので、一般的なWindows搭載PCと同様に扱える。

>液晶解像度と価格 液晶解像度と価格

 また、実際の処理性能はPCによって異なる。動作クロックが最大500MHzで電池駆動時間の長い工人舎のSAシリーズはさておき、Atom搭載PCとVIA C7-M搭載PCでは動作クロックが同じでも性能は異なる。また、チップセットと内蔵グラフィックの違いも体感上の処理速度として大きくかかわってくる。

 処理性能的な面から見れば、やはり最新のインテルAtomプロセッサ搭載機種が一歩リードといったところだろう。

 性能はそれだけではない。液晶の解像度も重要だ。低価格小型PCブームの発端となったASUSのEee PC 4G-Xの液晶は800×480ドットと、まさに現代の携帯電話並みの解像度となっており、ウェブサイトの閲覧にも工夫が必要だった。

 ところが、その後登場したHP 2133 Mini-Note PCでは、1280×768ドットと一般的なモバイルノートPCとまったく変わらない解像度を実現している。

 Aspire OneとWind Notebook U100は似たようなスペックを持っているが、ボディサイズが異なるため、液晶の見やすさとキーボードの使用感が異なる。長時間の文章入力をしようと思えば、余裕あるサイズのWind Notebook U100は魅力的だろう。

>液晶解像度とバッテリ時間 液晶解像度とバッテリ時間

 さらに、注意すべきはバッテリの駆動時間。およそ2〜3時間程度が多いなか、Eee PC 901-Xは最大8.3時間と抜きんでている。テスト環境における数値なのでこの時間いっぱい実用できるわけではないが、半分としても4時間使え、モバイルPCとして不自由なく使えるレベルに達している。また、HP 2133 Mini-Note PC ハイパフォーマンスモデルでは、大型のバッテリも付属しているので、サイズのアップを許容すれば、長時間の利用に使える。

通常のモバイルノートPCと異なる点は?

 出そろった小型低価格PCのラインアップをよく見れば、細かなスペックに個性がある。それぞれ、駆動時間、液晶サイズ、キーボードのサイズ、通信機能などが異なり、好みや用途によって選び方も違ってくるだろう。

 ただ、性能という面では、Atomプロセッサを用いた機種の場合、Windows XPならば、文飾作成や動画の少ないウェブ閲覧などでパフォーマンス不足が気になることは少ないだろう。

 それでも、低価格だけに15〜20万円クラスのモバイルノートPCを凌駕するには至っていない。処理性能、電池駆動時間、保存容量と3つそろった機種はいまだ登場していないのが現実だ。

 小型低価格PCは、利用シーンによって使い分けたり、アプリケーションやハード面などでも使いこなしの工夫をしたりするのがいいだろう。そこが楽しいという人もいるかもしれない。これらのハンデをうまく克服できれば、とても便利で手軽なPCとなるはずだ。

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