ソーシャルネットワークは「空気のような存在」へ - (page 2)

文:Dan Farber(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、緒方亮、長谷睦2008年03月05日 13時14分

 ビジネスモデルについて、Li氏は、各自が個人でCPM(Cost Per Mille:1000回の広告表示単位で課金を行うインプレッション広告)を持つようになり、これは各自の所属するソーシャルネットワークの強い影響を受けると語った。たとえば、あるトピックについて信頼度の高い人物が提供する情報は、「裏付け」のある価値を持つことになる。そして、その価値は、その人の属するソーシャルネットワークの質により強化される。また、この価値はそのソーシャルネットワークによりその人に与えられる信用度とも相関関係にある。プライバシーへの懸念などから失敗に終わったが、Facebookの「Beacon」機能は、個人CPMの最初の例だった。

 Li氏は、Graphing Social Patternsに来場した開発者、投資家、および業界ウォッチャーにいくつか提言を行った。

  • 個々が管理するIDフェデレーションに基づいて、サービス間をつなげる。
  • サービスに壁を作って競争するのではなく、ソーシャル体験の魅力を競う。
  • 意味がある、より実用的なソーシャルアプリを開発する。「Facebookがなぜ面白いのか、その理由を説明しなくてはならないのなら、このサービスがこれ以上メジャーになることはないはずだ」とLi氏は話している。
  • ソーシャルグラフを既存の活動に組み込む。
  • 人々のソーシャルネットワークが作り出す価値を反映したビジネスモデルを企画する。

 ソーシャルネットワークは5年以内にウェブの中心深くにまで組み込まれ、よりオープンになったソーシャルグラフはつながりを求め、動的に挙動を修正しながらネットワークをさまようという見方については、筆者はまったく異論がない。しかし、信頼性をめぐる複雑な計算式をウェブが現実世界よりも上手に解き明かすことができるのか、という点については、今しばらく見守る必要があるだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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