仮想世界で起きている事象は非常に複雑なため、測定には分析ソフトウェアが必要だ、という意見もある。
Code4Softwareの仮想世界分析プラットフォーム「V-Tracker」の開発者Jared Freeman氏は、MMIに関する「TechCrunch」の記事のコメント欄で、次のように述べている。「仮想世界内では、考慮すべき活動が数多く進行している。さらに、仮想世界から広がる余波として、「YouTube」の動画、メディアの記事、ブログの投稿といったものも考慮すべきだ」
こうした理由から、Freeman氏は、「ビジター追跡」システムが人々の訪問先を測定できるかもしれないと考え、このシステムをV-Trackerに組み込んだ、と説明している。しかし、同氏は投稿の中で、ユーザー行動追跡に関する問題は複雑で、多くの詳細な検討項目を含むことを認めている。
このTechCrunchの記事では、執筆者のDuncan Riley氏が、MMIの目標には映画業界の影響を追跡する取り組みとの類似性がある、と示唆している。
「MMIは興味深い組織で、仮想世界に現在かかわっているか出店している企業、あるいはそれを検討している企業にとって、有用なデータの強固な基盤を築く包括的な手段だ」と、Riley氏は書いている。「仮想的な世界を対象とし、企業主体では正確な情報を知り得ないという考えに基づき、理論上は関係者全員の利益のために活動するという点で、MMIは全米映画協会(MPAA)と似ている。MMIが2008年から公表を開始するデータを、私は興味深く見ていこうと思う」
実際、Bloomfield氏とWilson氏は、2008年に調査結果の提供を開始したいと考えている。
問題は、こうした測定規準がどの程度有効かということだ。毛皮の動物、ドラゴン、エルフ、宇宙人、乱暴者といったロールプレイングを行う多数のユーザーについて、個人的行動、社会的行動、経済的行動、技術的行動それぞれを追跡するのは簡単ではない。
それでも、特に、相互運用性への取り組みが進んでいることや、Ciscoのネットワーク仮想環境主任アーキテクトChristian Renaud氏がその取り組みとMMIの両方に関与していることを考えると、仮想世界の標準化への動きもはずみがつきそうだ。
もちろん、仮想世界の標準化に興味を持つ人々は、こうした取り組みを、ユーザーにとって魅力的なものにしていく必要がある。なぜなら、ユーザーが仮想世界でお金を使わなければ、どんな統計を出したところで無意味だからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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