仮想世界の経済統計データ提供を目指す「Metaverse Market Index」 - (page 2)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、高森郁哉2007年10月30日 17時26分

 MMIの目標は、メタバースを理解しツールとして活用したいという人々の希望をかなえることだ。メタバースに対するこうした理解や、CiscoやIBMなどが模索している相互運用性がなければ、仮想世界は1990年代中期のネットワークのように閉鎖的で互いに関連性を持たないまま行き詰まる危険があると、Bloomfield氏は指摘する。

 「かつての『CompuServe』や『Prodigy』といったネットワークに相当する、小規模のさまざまな仮想世界が登場している。これらが業界の確立と発展につながるかどうかは、個々の仮想世界を隔てる障壁を壊せるかどうかにかかっている」(Bloomfield氏)

 そのことを念頭に置きつつ、Bloomfield氏とWilson氏は、諮問委員会の設立と資金調達を終えてから、MMIで3つの異なる対象に注力したいと考えている。

 Bloomfield氏によると、第1の対象はユーザーのデータだという。これは本質的に、さまざまな仮想世界とオンラインゲームを調査し、各サービスと市場全体の両方について、利用者数や利用時間といった要素の統計を出すことだ。

 第2の対象は、経済のデータになるだろう、とBloomfield氏は説明する。

 「クリック数を調べるだけでは不十分だ。私は、仮想世界それぞれについて国民総生産(GNP)を算出できれば、と考えている。多数の人員が必要になるが、無駄にお役所仕事を増やすのが目的ではない。そこには有用な測定基準が存在し、これを使って仮想世界の経済的な活力と動向を投資コミュニティに報告できるからだ。実際に(経済的な)数字を追跡するなら、1年単位で測定基準を得て、仮想世界の成長の速さを評価できるようになる」

 第3の対象は、技術的なデータになる見込みで、複数の仮想世界における相互運用性の可能性などが含まれるという。

 Bloomfield氏は、相互運用のための技術標準を確立する手法として、一部で決定したものに残りが従うという旧来の企業的アプローチと見なされる方法と、関係者すべてができる限り議論を尽くす学究的な方法とのバランスを図ろうとしている。

 「私の計画はつまり、仮想世界のデータを人々に提供することだ。どんな技術が使われているのか。どの程度成功しているのか。どの位のペースで成長しているのか。データの提供は、標準化に至る、市場原理にのっとった非常に効率的な方法だ。人々にデータを提供すれば、彼らがそれを整理するだろう」(Bloomfield氏)

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