消費者を興ざめさせることがもう1つある。ほとんどの作品が両方のフォーマットで発売されていないのである。「300」は両方のフォーマットで発売されたが、「トランスフォーマー」や「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」、「スパイダーマン3」などの大ヒット作品が両方のフォーマットで入手可能になる見通しはない。
Warner Bros.は中立的な立場を維持し続ける大手映画会社の1つであり、Blu-rayとHD DVDの両方でコンテンツを提供している。Paramountも、大きく報道された2007年8月のHD DVD支持の決定までは、同様のアプローチを採用していた。
Paramountが資金提供を受けてHD DVD支持に回ったという批判を多少は受けたが、少なくともどちらにつくか選んだことは評価してよいだろう。引き続き両方のフォーマットを支持しているWarner Bros.は、当面はより多くの選択肢を消費者に提供することになるのだろうが、実際はフォーマット戦争を長引かせるだけかもしれない。つまり、結局のところWarner Bros.のような有力な映画会社がどちらか一方を選ばないのに、消費者がどちらか一方を選ぶべきとも思えない。
「これは技術をめぐるフォーマット戦争ではなく、コンテンツをめぐるフォーマット戦争だ。つまり勝者はいない」とYankee GroupのMartin氏は指摘する。そのうえで、今の時点では2つの結果が考えられるという。1つは、HD DVDを支持する東芝とBlu-rayを支持するソニーが、このまま対立を続けてもそれぞれの傷が深くなるだけだということに気づき、規格を統一するという結果だが、「それはありそうにない」とMartin氏は語る。もう1つは、大手映画会社が共同で方針を統一し、全作品を両方のフォーマットで提供するかどちらか1つのフォーマットで提供するか決めることである。
「そうなれば、自由市場が勝者を決めてくれる」(Martin氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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