Wired誌オンライン版の2007年5月の記事には、THX認定システムで再生される音について次のように書かれている。「音のメリハリが利いており、くつろいで音楽に耳を傾けるうちに『おや、この歌でこんな楽器が使われているとは、今まで聞こえたことがなかった』と気がつく」
米国時間2007年7月18日に私がTHX本社を訪問した際に、同社のチーフサイエンティストであるLaurie Fincham氏が新しい事業の一部を見せてくれた。
Fincham氏はある部屋で、プラスチック製のマッシュルーム型パソコン用スピーカー3個を自慢気に披露した。THXが電子機器・ビデオゲーム用機器メーカーのRazerと共同開発したそのシステムの名前は「Mako 2.1」。出力100ワットのデスクトップPC対応スピーカー2個で構成され、マグカップほどの大きさの内部には、ミッドレンジ(中音域用)スピーカーと幅の狭いツィーター(高音域用スピーカー)がサンドイッチ状に搭載されている。ミッドレンジスピーカーは、机の表面で音を反射させるために下向きに取り付けられている。
2007年の秋に299ドルで発売する予定のMako 2.1は、音を室内全体に均等に放つように設計されている。この点は、ほとんどのパソコン用スピーカーがわずか2フィート(約60cm)離れた位置で聞くことを前提に設計されているのとは対照的だ。
この新製品は重要な意味を持っている。というのは、THXが製品を認定するだけではなく、開発にも参加しようとしていることを物語っているからである。
早い段階から関与していれば、新しい技術やアイデアを試す方向に迷わず進むようメーカーに影響力をふるうのに役立つ。競争力のある価格と優れた性能を両立させるのは必ずしも不可能ではないと電子機器メーカーを説得できれば、多くの場合はそれが最高の売り込みになる。
「どのようにすれば可能なのか。それを説明しなければ通常の製造設備から製品を送り出すことにはつながらない。多くの企業が(研究開発を)外部に委託し、提供元に依存している。提供する側は単に顧客の要求に応えるだけだ。われわれは別のやり方もあるのではないかと考えている」(Fincham氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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