グーグルの新サービス「Street View」に賛否両論 - (page 2)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、瀧野恒子 2007年06月21日 16時00分

 Googleでプライバシー問題を監督する次席法務顧問のNicole Wong氏は、この報告が誤解を招く不正確なものであると主張したうえで、Googleには批判の声に回答する機会が与えられなかったと説明した。

 「この報告の主張は、当社の複数の製品を正しく理解していない」とWong氏は述べた。「それよりもさらに重要なことだが、実際のランキングは、当社の優れた取り組みの多くについて核心をとらえていない」

 Wong氏によれば、たとえばGoogleは18〜24カ月後に検索者のIPアドレスを部分的に匿名にしているが、他社はIPアドレス保存ポリシーを公表していない。さらにWong氏は、Googleは2006年に米司法省からウェブ検索に関して召喚状を受け取ったインターネット企業34社の1つにすぎないと付け加えた。

 検索エンジンの専門家Danny Sullivan氏は、自身のブログSearch Engine LandでGoogleに同調する立場をとっている。しかし、大きな議論になりつつある新しい領域にGoogleが今回の新製品で参入するのかどうかは疑問だと述べている。

 Sullivan氏によれば「現実には、Googleに対する批判は益々エスカレートするだろう。彼らの、一般市民の行動を監視する動きがこれからも続けられ」、監視の焦点をよりいっそう個人に向けようとしているのだから。「Googleは、トラブルを避けるためにプライバシー問題の専任担当者を置くべきだと思う。その人物の仕事はGoogleにとって最悪の事態を想定し、ユーザーに可能な限りの保護を提供するために勤勉に働くことだ」

 Wong氏によれば、Googleはプライバシー問題の専任担当者を公式に置いているわけではない。しかし、倫理と法令順守に関しては次席法務顧問1名と製品担当法務顧問として働く14名のスタッフ弁護士を擁し、企画から立ち上げに至るまでの製品開発の支援とプライバシー問題の評価にあたらせている。「弁護士は、製品開発がスタートするときに質問する。『その製品でどのような情報を収集するのか、収集した情報をどうするつもりなのか?』と」(Wong氏)

 道路レベルのマップ表示機能をリリースする前に、Googleは家庭内暴力被害者救済団体に接触したという。「Street Viewによって、プライバシー問題の結果がどうなるかについてじっくり考えた。我々はStreet Viewにフラグを立てることのできるメカニズムを組み込み、不適切な画像をユーザーが報告できるようにした」(Wong氏)。「提供開始から最初の数日間に報告を受けたフラグは、ごく少数だった。フラグの報告を受ける割合は、毎日低下し続けている」

 Googleの経営幹部と製品マネージャーは、Street Viewのリリース前にプライバシーや倫理面の影響について数え切れないほど議論を重ねたとWong氏は付け加えた。「我々は、役に立つ優れた製品をユーザーに提供することと、製品がプライバシーに与える影響のバランスをとろうと努力した」(Wong氏)。

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