新世代3Dシネマ--「赤と青のメガネ」を不要にしたデジタル技術 - (page 3)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、瀧野恒子 2007年06月07日 16時00分

 プロジェクタが画像を投影するスクリーンは、偏光画像を観客の目に向けて反射するよう特別に設計されたものである。観客は3Dメガネをかけなければならないが、ある年代の人にはおなじみの赤と青のフィルタ付きメガネではない。円偏光フィルタ付きのおしゃれな黒いメガネだ。

 「この技術は、実にすばらしいと思う」とStephenson氏は述べる。「これは質的な変化をもたらす技術だ。映画体験を完全に変えてしまう。(観客は)映像に包み込まれるのだ。映画を見ているのではなく、映画の中に自分が入っているのに近い体験になる」(Stephenson氏)

 Schklair氏によれば、3Dで映画を1本製作する場合、制作費が5%から20%増加する。低予算映画であれば、費用の増加はさらに極端になる。

 同様に、映画館の側にも追加コストが発生する。REAL Dの3D技術の導入には、スクリーンの他に、プロジェクタのソフトウェアとデジタルハードウェアのアップグレードも行う。そのため、使用許諾料として1スクリーン当り年間2万5000ドルから3万ドルが必要という話である。

 「何よりもいいことは」とLewis氏は述べ、「アップグレードには約1時間しかかからない。アップグレードした後は、約5秒で2D映画に切り替えることもできる」と語った

Schklair氏は、小規模な映画制作会社による会話が主体の映画などについては今後も2D映画の市場が存在し続けると考えている。しかしLewis氏は、そう遠くない未来にほとんどの映画が3Dになると予想している。

 「この新しい上映方式で映画を見たら、昔に戻るのは難しいだろうね」とLewis氏。「いちどカラー映画を見たら、もう白黒映画を見たいとは思わなくなる。それと同じだ」(Lewis氏)

3alityの技術では、左右の目に相当する2台のカメラを使い撮影する。映像はReal Dのデジタルシステムで処理される。 3alityの技術では、左右の目に相当する2台のカメラを使い撮影する。映像はReal Dのデジタルシステムで処理される。
提供:Real D

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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