「マイクロソフトは重大な局面にある」--グーグルとの比較でアナリストが発言 - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、藤原聡美、長谷睦2007年04月27日 20時43分

 検索広告がGoogleの基盤をなす事業であり、同社の売り上げの99%にあたる105億ドルを占めているにもかかわらず、Weiner氏は同社を「カメレオンのようだ」と評す。

 Googleは、Microsoftの企業ユーザーを直接狙っているわけではないが、徐々に積み上げる形で企業向け市場への参入を計画しているとWeiner氏は述べる。

 「Googleのコンセプトは、消費者に力を与えること(中略)、つまりITのコンシューマー化」であり、「Gmail」のように、個人が家で使っている技術を仕事場でも使うように仕向けることで、企業に対してコンシューマー向け技術の導入を促しているのだとWeiner氏は分析する。

 一方で、GoogleはClear Channel Communications傘下のラジオ局、およびEchoStar Communicationsの衛星放送ネットワーク「Dish Network」で広告を配信する契約を発表したが、動画から利益を上げるための具体的な計画はまだ明らかにしていない。2007年中に、Googleは大手テレビ事業者、あるいはテレビに類似したコンテンツを消費者に提供する大手事業者と提携し、Googleの検索と広告をこうしたコンテンツと統合する計画を発表するだろうと、Weiner氏は予測している。

 さらに、Googleはソーシャルサーチの分野や、動画や音声などのリッチメディア検索の分野では大きな進展を示していない点にも、Weiner氏は言及した。また、「Google News」や「Google Book Search」、さらには傘下に収めたYouTubeなどでコンテンツプロバイダーと対立したり著作権訴訟の対象になったりしたことで明らかなように、メディア市場をよく理解していないとWeiner氏は言う。「Googleは市場への脅威とみなされている」と同氏は付け加えた。

 先日、GoogleはDoubleClickを31億ドルで買収することを提案したが、これによって、現在弱点としているブランド広告事業にも参入できると、Weiner氏は言う。しかし、従来、Googleの広告は控えめなことで知られており「人目を引くバナー広告も手がけていると思われることで、反発を受けるリスクもある」とSmith氏は予測する。

 今後、GoogleとMicrosoftが勢力争いを続けるかぎり、勝敗がはっきりと決することはないだろうという点で、Weiner氏とSmith氏の意見は一致している。

 ただし、Googleはきわめて高いブランド認知度を誇るうえ、ほかにも数々の分野でMicrosoftに勝利を収めている。マーケットリサーチ会社のMillward Brown Optimorは23日、Googleを最も影響力のあるグローバルブランドとして挙げ、その「ブランド価値」は、2位のGeneral Electric、3位のMicrosoft、4位のCoca-Colaを上回っているとの調査結果を明らかにした。また、ウェブのトラフィックを追跡する調査会社のcomScoreは、最新のウェブ資産に関する統計で、Googleを世界一に挙げている。これより前の1月には、「Fortune」誌がGoogleを米国で最高の職場に認定している。

 また、検索分野でGoogleの後塵を拝し、提供するウェブサービスの全体的な人気でGoogleとMicrosoftの両方に後れを取っているYahooの今後についてセッションの参加者から尋ねられたWeiner氏は、「Yahooは窮地に立たされている」と述べた。同社はVerizon CommunicationsやAT&Tといった通信サービス事業者と提携すべきだが、「もはや大幅にトラフィックを増やすのは難しいだろう」とWeiner氏は述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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