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Web 2.0の先を開拓する「メタデータ時代」 - (page 2)
囲い込みの選択肢は「自滅への道」
写真一つを例にとっても、メタデータをうまく利用することで、これまで想像もできなかった世界が実現できそうなことがわかる。また、Flickrに限らず、コアデータベースを持つサイトは、メタデータ同士をつなぎ合わせることで、凄まじいポテンシャルを発揮する可能性があるのだ。GoogleがYouTubeを買収した理由について、CEOのエリック・シュミットはYouTube自体がコアデータベースだからだと明言していたが、まさにそういうことなのである。
「web1.0 → web2.0 → メタデータ時代」の世界観を表わすイメージ図
メタデータの重要性が増すにつれて必要となっていくのが、メタデータの共有とオープン化である。それを私が最初に感じたのは、アップルの「iTunes Music Store」が開始されたときだった。PCに音楽CDを入れるだけで、CDDB(Compact Disc DataBase)から曲目などのデータを無料で自動的に取得できるこのシステムは、広くみんなで利用できるからこそ高い価値を持っているといっていい。
現在、世界には無数のデータベース・カンパニーがあるが、それらの持つデータは、(1)コア・コンピタンス(競合他社に真似できない核となる能力)を持つもの、(2)誰でも入力さえすれば集められるもの──の2種類に分類される。後者のデータは、ソフトウェアがそうであったのと同様、次第にオープンソース化される流れとなるだろう。
そもそも、データというものは、何かと結び付いたり利用されることで初めて高い価値を持つからだ。作り出すのが難しいデータ以外は、仮にある企業が囲い込んだとしても、また別の誰かが出していくだけのことであり、囲い込むという選択をすること自体、滅亡への道を歩むことになる。さすがにAmazonはここでも素早い動きを見せた。過去の企業なら必ず囲い込むであろう彼らの貴重な商品データベースをオープンにし、APIを公開して自由に利用できるようにした。このようにデータのオープンソース化が進んでデータベース間がつながっていけば、ついには「世界に一つこのデータさえあればいい」という時代すら来るかもしれない。
また、携帯電話などのデバイスも変化することになるだろう。携帯電話は、PCの画面に比べて極めて小さく、処理速度も遅く、ボタンの数も少ない。これをPCに比べて、退化しているとみるか、そうでないとみるか──。
PCの場合、すべての物事は画面の内側で起こる。しかし、携帯電話の場合は、画面の内側と外側が「逆転」し、携帯電話を操作することによって、自分自身が行動に移り、現実世界が変わるという、PCにはない機能を持っていると考えることができる。たとえば携帯を使った道案内は自分自身が動くということで、知らない土地にたどり着くというリアルな体験を提供する。いわば携帯電話は、自分自身を操作・機能拡張するためのリモコンともいうべきインターフェースであり、今までページの中に閉じ込められていたインターネットの世界から脱し、モノとモノ、人と人をつなげるツールとなり得るのである。
始まりのきっかけは「人」
以上述べてきたような流れに対し、産業としてどういうアプローチが出てくるか、というのは非常に興味深い点だが、これまでのように、「有料でデータを提供する」というレベルから、「我社ならデータをこのように生かせる」、というレベルへ移行していくのは明白で、すでに音楽業界はその方向へと進んでいる。単にCDを商品として店頭に置くのではなく、音楽をどのように身近に使ってもらうか、という消費の部分まで含めた戦略がないと、生き残れない状態になっているのだ。
これは何も音楽業界に限ったことではない。望むと望まざるとに関わらず、ただデータを持っているだけではなく、データの生かし方を考えなければ生き残れない世界は来てしまうのだから、あらゆる業界でそれを前提としたサービスを考えることが必要となるだろう。しかも、その世界はすぐそこまで来ているのだ。
ページへのナビゲーションが終わり、モノや人へのナビゲーション、いうなれば「メタデータ時代」がやって来る。始まりのきっかけとなるのは、やはり人だろう。早く目覚めそうな人を起こし、その人が次の人たちを目覚めさせる。各産業の重要なポジションにいる人が立ち上がれば効果的だが、目覚めた人が重要な人になっていく、というシナリオも考えられる。
いずれにせよ、どの業界、どの組織にも存在しているそうした人たちを、いかにつなげていくかがキーとなるだろう。
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