ここ数年、VatSimをはじめとするフライトシミュレーションネットワークが成長してきた一方で、それを取り巻く技術革新も急速に進んでいる。その中で最も大きな進歩が、いわゆる「有料版ソフトウェア」だろう。有料版は、Microsoft Flight Simulatorなどに含まれている簡易版に比べて、よりリアルな制御システム、機能、操作感を備えたフライト用パッケージだ。
Kolin氏は言う。「2000年に初めてVatSimに参加した当時は、そこそこ本物らしくて、動きや見た目がある程度まともな航空機があればそれで十分満足できた。現在手に入る有料版パッケージでは、エンジンの始動に10〜15分かかるようになった。システム管理ソフトウェアが高度化したためだ」
Kolin氏はまた、あまりにリアルな有料版のユーザーが、本物のボーイング737のコックピットに入ったとしても、「操縦方法はほとんど変わらないだろうから、フライトの状況がすぐに理解できるかもしれない」と語った。
Faudree氏は、1960年代から1980年代にかけて活躍した航空機「Piper Cheyenne」の、有料版ソフトウェア開発のテストに協力し、その見返りとして同ソフトウェアを無償提供された。同氏は他にも、双発機「Bonanza」と単発機「Baron」という、いずれもBeechcraft社製の航空機を所有しているが、このPiper Cheyenneが一番のお気に入りだという。
架空の航空機だけではなく、アクセサリ市場もまた、絶えず発展を続けている。簡単に接続できる操縦桿やペダルを購入して、実際の雰囲気だけを楽しむユーザーもいれば、こうした製品に数千ドルもつぎ込むユーザーもいる。
例えば、カリフォルニア州のPrecision Flight Controlsという企業は、ボーイング737の操縦桿のレプリカを1295ドルで販売している。
Faudree氏によれば、無線システムや自動操縦システムを、画面ボタンのクリックではなく手動のつまみで制御できる製品も販売されているという。「航空機のスクラップ場に出掛け、オーバーヘッドパネル、スロットルレバー、計器パネルなど、本物のコックピットのパーツを購入して、本格的なフライトデッキを作り上げてしまう人もいる」(Faudree氏)
VatSimなどのネットワークで主に行われているのは、フライトの都度パイロットと管制官を新たに割り当てるという方法だが、固定メンバーによるグループを形成することも可能だ。
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