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オンラインゲームを狙う税務当局--検討される仮想資産への課税

2006/12/12 20:10
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 ニューヨーク発--「World of Warcraft」「Second Life」「EverQuest」「There」といった仮想世界の常連プレーヤーは今後、米国税庁(IRS) の「フォーム1099」申告書の見方を変えることになるかもしれない。

 それはなぜか。近い将来、ゲームパブリッシャーからプレーヤーへの同申告書送付が義務化される可能性があるためだ。「フォーム1099」は、企業や公的機関が、雇用者以外に支払いを行った場合に発行される書類。送付先は、「Ultima Online」の城、「EverQuest」の武器、「Second Life」の通貨といった価値のあるアイテムを取引している仮想世界のプレーヤーであり、それらのアイテムを現金に換えたかどうかには関係なく送られる。

 関係官庁のほとんどは、オンラインゲームで事実上の経済活動が行われていることをようやく意識し始めた段階にある。しかし、所有権が移り変わる多くの仮想資産には実質的に価値が与えられているという現状と、ゲームの急速な普及とが相まって、このことがすぐに重要視されるようになることはほぼ間違いない。

 「1カ月に10%から15%というペースでプレーヤーが増加していることを考えると、米連邦議会とIRSがこの問題に対して動く『かどうか』ではなく、『いつ』動くかが重要になってくる」と米議会の上下両院合同経済委員会でシニアエコノミストを務めるDan Miller氏は語った。彼もまた仮想世界に身を投じている1人だ。「このため、われわれには、条件を規定して議論の場を設け、仮想世界とその経済圏に対して、適切な税制を整備することが求められている」

 これは、米国時間12月1日、2日にかけてニューヨークロースクール で開催された「State of Play/Terra Nova Symposium」での発言だ。2006年で第4回を迎えた同シンポジウムでは、法律家や学識者が、仮想世界の法律、社会、経済上の各問題について議論を展開した。Miller氏は、2日に行われた税と財務に関するセッションにパネリストとして参加した。

 セッションの背景には、作家 Julian Dibbell氏による問いかけ があった。同氏は、著書「Play Money」やLegal Affairs誌に最近寄稿した記事の中で、仮想資産の所有権が移動したり、モンスターを倒すなどによってゲーム上の金品を獲得したりといった場合も課税の対象になるのかという問いを示していた。

 Dibbell氏の記事にはこうある。「あなたが、アイスダンジョンの近くでアークティックオーガロードと戦うことで何時間も浪費したことがないなら、あるいは、IRSが発行した資料を読み込めるほどの時間をお持ちでなければ、米政府がオンラインゲームの仮想の戦利品に課税するようになるかどうかなど、おそらく考えたことはないだろう。しかしこの問題は、『なぜ現時点で課税が始まっていないか』 というレベルに来ているというのが現実だ」

 上下両院合同経済委員会はこれらの問題について、10月に調査を開始している。Miller氏は12月2日のセッションで、これまで示されてきた以上に幅広い立法による監視とIRSによる税制の策定を提案した。この提案は、委員会および議会全体としては仮想世界から厳しく税金を取り立てるつもりはない 、という同氏のかつての発言とは異なるものとなった。

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