米国で人気のファンタジーフットボール--大手サイトの実情と今後の展開 - (page 2)

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:DNAメディア2006年12月07日 16時42分

 よくあるのは、遠くに住む学生時代の友人との関係を切らないためにリーグに参加するパターンだ、とCoteさんは語る。彼はペンシルべニア州の大学を卒業し、現在はマサチューセッツ州に住む。楽しく競い合うというスタイルが、リーグ参加歴が比較的長くてフェイスペイントをするような熱狂的スポーツファンよりも、一般ユーザーやちょっとしたスポーツ好きに受け入れられているようだ。

 覇権争いを続けるファンタジーリーグ大手の各サイトは、エキサイティングな体験を提供しながら操作性を向上させるため、常に技術開発を続けて競合を出し抜こうとしている。

 例えば、Yahooが提供しているリアルタイムの統計データには、プレー開始直後から閲覧することが可能だ。ESPNでは、2006年に「Live Draft Lobby」を開設した。これを利用することによって、架空のドラフト会議を通して、プレーヤー選択のコツを学ぶことができる。最近はやっているのは、ファンタジーリーグのプレーヤーに、現実のプロフットボーラーのような「悪口の応酬」をさせることだ。ESPNでは、ユーモアがあって楽しめる悪口をオンライングリーティングカードで送信できる。

 しかし、ファン獲得に最も有効なのは、中断しないサービスを提供することだという。しかし、多くのサイトがこのことに苦労してきた。

 NFLのレギュラーシーズンは、9月にスタートし17週にわたって戦われる。2006年11月のレギュラーシーズン第10週、CBS SportsLineのファンタジーフットボールにアクセスしていた参加者の多くで、キックオフ直前に出場選手を設定できなくなるという問題が発生し、同サイトのアクセス障害が丸1日続いた。自社ソフトウェアが受賞歴を持つCBS SportsLineでは、毎週、自社サイトのパフォーマンスを評価して発表しているが、この週、同社は自らのサイトを最低点「F」と評価した。しかしすぐに新しいサーバを追加し、翌11週は評価を「A」に上げている。

 2005年のシーズン、ESPNでは、ネットワークの問題で一部のユーザーが長時間サイトにアクセスできなくなるというトラブルが発生し、ユーザーに謝罪することになった。「2006年のシーズンでは、パフォーマンス強化に取り組んできた」とESPNのシニアバイスプレジデント兼ニューメディア担当ゼネラルマネージャー、John Kosner氏は語る。

 「まったく問題のない運営を毎週続けることは、最大手のサイトでさえ非常に難しい。当社のサイト運営はここまで、2005年よりは順調だが、それでもスタッフのほとんど全員が常になんらかの問題に対応している状態だ」(Kosner氏)

 Yahoo Sportsは、ファンタジーフットボールリーグのサイトとして長年首位の座を守ってきたが、同部門の責任者であるDavid Katz氏は「ファンタジーリーグの技術的ハードルほど困難な課題に直面しているウェブサイトはほかにはそうないはずだ」と語る。

 「ファンタジーゲームサイトは本当に難しい」とKatz氏は言う。「連動させなければならない要素がどれだけあるか考えてみてほしい。データフィードは全チーム分集めなければならない。各選手のプロフィールもすべて異なる。一方では何百万という人々が、リアルタイムの分析データを見ようと一斉にサイトに押し寄せている。同時に情報を提供するためにはどれほどの処理能力が必要か想像できるだろう」

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