活況が続くオンライン広告市場--どこまで成長するのか - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年05月11日 21時20分

 JupiterResearchによると、 今のところ収益性が最も高いのは検索広告で、米国のネット広告関連支出全体の40%を占めるという。検索広告は、2005年の42億ドルから2010年には75億ドルまで増加するが、それに対してディスプレイ広告は2010年にはやはり75億ドルまで成長するものの同期間中の増加率は10%にとどまると、JupiterResearchでは予想している。

 また今回は、技術も改善されている。オンライン広告技術は進歩を遂げ、いまでは自社の広告が売り上げにつながっているかどうかなどをマーケティング担当者が把握できるようになり、さらに地域や性別・年齢などを元に対象を絞り込んで広告を出せるようにもなっている。これは、ほかのメディアの広告では簡単にはできないことだ。

 前回のオンライン広告ブームの時は、「CPM(バナー広告の1000インプレッションあたり単価)の価格が高く、(広告)キャンペーンの効果を測定する手段がなかった。そのため十分な説得力がなかった」とRiley氏は述べている。

 ただし、まったく不安がないわけではない。確かにオンライン広告への支出額は伸びているが、米国市場での成長率はわずかに鈍化しており、2004年の32.5%から昨年は30%に減少していると、Hallerman氏は指摘している。同氏によると、米国内でのオンライン広告の伸び率は、2007年が19%、2008年が17.7%になると見られているという。「成長率は下がる傾向にある。もはや急成長はみられない」(Hallerman)

 また、広告主である企業各社がオンライン広告の予算を削減しないという保証もないと、専門家は述べている。

 「世界全体ではわからないが、少なくとも米国では景気後退の可能性が本当にある。この国の赤字額は膨大だ」とHallerman氏は述べた。「だが、オンライン広告への支出は景気後退期でさえ、それなりの割合を占めるだろう。テレビに比べれば比較的割安な媒体であり、また広告の効果を実際に測定できるからだ」(Hallerman氏)

 広告費は、経費を減らそうとする企業がまっさきに手を付ける分野のひとつだ。「景気後退があれば、広告費はいつもまっさきに削られる。必要なものとは考えられていないからだ」と、WR HambrechtのGarcia氏は述べている。

 そうした点を指摘した上で、Garcia氏はそれでもオンラインのビデオ広告はまだほとんど未開拓で、今後テレビから広告費を奪う可能性があると述べた。そして、大手ネット企業が地域密着型のコンテンツを提供しようとしているなかで、小規模な企業やレストランなどの広告主が地元の新聞やテレビ、ラジオに費やしていて広告費を削るケースが増える可能性がある。

 「2000年当時は、この(広告)モデルが誰にも信用されなくなっていた。だが、いまはネットメディア全体が信用されている」とAmmo Marketingの戦略担当ディレクター、Gary Stein氏は述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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