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ヒップホップがクリエイティブコモンズと出会う時

2006/03/01 08:00
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 「DJ Spooky」という名でも知られるPaul Millerは、ミュージシャンが新曲を制作する際に、他のミュージシャンの楽曲サンプルをリミックスできるようにすべきだと考え、自らその実現に向けた取り組みを進めている。

 Millerは、「Public Enemy」のChuck D、「Parliament Funkadelic」のGeorge Clinton、音楽バンドの「De La Soul」などと同じグループに所属するミュージシャンの1人だ。このグループは、一般の人々に、彼らのインタビューから抜粋した音声の断片を組み合わせて作品を制作し、新しいリミックスコンテストに出品することを認めている。

 この「Copyright Criminals Remix Contest(著作権違反者によるリミックスコンテスト)」と呼ばれるコンテストは、非営利組織の「Creative Commons」が主催するもので、リミックス文化の促進と、Millerらが取り組んでいるような、自分の作品を合法的かつ手頃な価格で提供し、他のミュージシャンがそれらの作品を操作できるようにする活動の奨励を目的としている。

 Creative Commonsは、コンテンツ制作者が自分の作品に対してどのような使用権を適用するかを自ら決定できるライセンスシステムを考え出した。このライセンスの条件に従えば、他人がその作品を利用することは可能だが、いずれのライセンスでも制作者にその作品が帰属していることを示す必要がある。これらのライセンスのなかには、非営利目的の場合に限り対象となる作品の利用を認めるものや、そうした利用を認めないものもある。Creative Commonsの最終目的は、ユーザーに与えられる権利について柔軟性を備えた著作権を促進することにある。

 「いまでは、音楽のサンプリングなど子供でも行っている」とMillerは述べ、「そのため、どこに行ってもアーバンカルチャーを反映した電子音楽に行き当たることがますます多くなっており、そして私にとっては、そのことについて単に意見を述べるだけでなく、そのプロセスに参加することが大変重要だった」と語った。

 Millerやその他のミュージシャンのインタビューは、「Copyright Criminals(著作権犯罪者)」というタイトルのドキュメンタリー映画のために撮影されたものだ。この映画を製作したのは、Ben Franzenというアトランタ在住のアーティストとアイオワ大学の助教授でコミュニケーションの研究を専門にするKembrew McLeodの2人で、彼らはサンプリング/リミックス文化の隆盛を扱ったこの映画のために、ミュージシャンやアーティスト、弁護士、学者、音楽業界各社の幹部らにインタビューを行った。

 現在、プロのミュージシャンは、他のアーティストの楽曲の断片を使用する場合、使用料を支払わなければならないことを十分認識しており、この映画は、そのような法的環境下で制作されている。全米レコード協会(RIAA)は、ミュージシャンが他人の作品の断片を自由に利用したり、勝手にサンプリングを行うことを阻止したいという姿勢を固持してきている。他人の作品のリミックスやサンプリングという行為は、10年ほど前なら特に問題にならなかっただろう。しかし、現在では、著作権者がそのような行為の停止を求める書簡を送付するケースが相次いでいる。

 McLeodとFranzenは、「Copyright Criminals」のトピックを選ぶなかで、そうした業界の仕組みに挑戦しようとしている。2人は、アーティストらに他人の作品の借用を認めることにより、彼らの創造力をさらに引き出せると信じている。また、Creative Commonsは、同団体がつくったライセンスを通じて、アーティストの権利を保護しつつ、ミュージシャンが過去の作品のサンプリングを行える環境を提供していると考えている。

 McLeodとFranzenは、その後この映画の予告編となる10分ほどのトレイラーを製作し、オンラインで公開したが、そのわずか数日後に誰かが「CCMixter」と呼ばれるCreative Commonsコミュニティのリミックスプロジェクトサイト上で、同映画をテーマとしたラップ音楽を公開した。

 募集をしていないにも関わらずそのようなラップ音楽が投稿されたことに感動した2人は、コンテストの開催を決定し、映画の予告編で流れるインタビューの各部分を利用して製作された新曲の募集を開始した。

 McLeodは、「素材を加工して遊ぶのは面白い。George ClintonやChuck DやDJ Spookyの声で遊ぶ機会を得るというのは、大変素晴らしいことだ」と述べ、さらに次のように続けた。「(他人の作品の)借用、デジタル音楽のリミックス、あるいはShakespeareが行ったことなど・・・借用したいという本能はあらゆる種類の創造力をかき立てる。そして、コンテストと映画の趣旨は、そのような借用を奨励し、その衝動を合法化することにある。」

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