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携帯ビデオがパッとしない7つの理由

2005/10/26 14:00
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 ビデオにマイクロプロセッサの計算処理能力とハードディスクのストレージ機能を組み合わせる--これは、すごいアイデアだ。

 不運にも、Intelが「ProShare」というビデオ会議システムを売り込み始めた当時、同社は20年ほど時代を先取りし過ぎていた。そして、同社の懸命な努力にもかかわらず、ProShareの取り扱いは打ち切られてしまった。同社はその前にもデジタル時計で同じような失敗をしていた。

 さて。現在、われわれの身のまわりでは新たなビデオ革命が起こっている。 Apple Computerやソニーなどの各社は、携帯型のビデオプレイヤーを売り込もうとしている。なかでも一番注目を集めているのは、ビデオ再生が可能なiPodだ。その一方で、Samsungなどでは携帯電話をテレビ受信機に変えたいと望んでいる。

 ほかにも、 Sling Mediaのような企業では、ユーザーが外出先から自宅に保存したテレビ番組や映画を観られるようにするシステムを売り込んでいる。

 だが、こうしたアイデアの大半はうまくいかないだろう。そう思える理由を以下に説明する。

1.「ながら観賞」ができない

 ふつうの人なら、道を歩きながらでも、MP3プレイヤーで音楽を聞くことができる。だが、昔の「Barnaby Jones(邦題:名探偵ジョーンズ)」を見ながらそんなことをすれば、郵便ポストやほかの歩行者にきっとぶつかってしまうだろう。

 これらの携帯端末も、例えば韓国の首都ソウルのような巨大都市でなら受け入れられるかもしれない。こうした大都市では誰もが移動に電車を使うからだ。しかし、北米にはそんな街はほとんど存在しない。仮にうまくいったとしても、次のような問題がある・・・。

2.画面が小さ過ぎる

 私は初めてスマートホンを見せられた時のことが忘れられない。「これで写真を見たり、株価を調べたりすることもできます」と、これを販売する会社の人間は言った。「あと、これを見てください。必要な時にはウェブにもアクセスできます」。とは言え、こうした携帯端末の画面は小さ過ぎる。ソニーの小型パソコン「VAIO Type U」では、写真が実にはっきりと見える。だが、これを使ってさえ、画像をしばらく眺めているうちに何だかアリの巣を眺めているような気分になってくる。

3.動画は得てして長過ぎる

 60年代後半から70年代初期には短期間だが実験的なアルバムが流行したことがあった。しかし、そういう例外を除くと、ほとんどの音楽はとても(演奏時間が)短いため、通勤途中に7〜8曲は聴くことができる。だがテレビ番組の場合は、そうはいかない。例えば、シチュエーションコメディ(コメディのジャンルの1つ)なら30分が相場だが、そのことがマイナスになる。Rachel Rayがホストを務める「$40 a Day」を一本見る間に、音楽なら「Waterloo」を10回半聴ける、もしくは「Roundabout」なら3回聴いてもおつりが来るので余ったその時間に映画「Dirty Dancing(邦題:ダーティ・ダンシング)」のテーマ曲を聴くこともできる、ということになる。

4.どこにでもテレビがある

 携帯ビデオプレイヤーなどにとっては、おそらくこれが最大のハードルだろう。今の時代に、テレビを見つけられないところはほとんどなく、そのことが新しいデバイス購入の動機を弱める原因になっている。たとえば、 Sling Mediaから出ている「Slingbox」はユーザーが出先から自宅のテレビに接続して写真やビデオを見られるようにするものだ。同社の幹部は、「ホテルの部屋にいるときに、自宅で観ているのと同じテレビ番組を見たくなったらどうしますか」という質問をよく口にする。

 だが、答えは至って簡単だ。その部屋にあるテレビのスイッチを入れるだけだ。

5.繰り返して見たりしない

 たとえば、「Indiana Jones and the Temple of Doom(邦題:インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説)をどうしても見たくなることが一体何回あるだろうか。どれほどよくできた映画でも、何度か見た後では新鮮さが薄れるものだ。ましてや、 「Ernest Saves Christmas(邦題:アーネスト、クリスマスを救え)、「Buffalo '66(邦題:バッファロー'66)」「The Mummy Returns(邦題:ハムナプトラ2 黄金のピラミッド)」といった作品なら、2度見ることもめったにないだろう。ほかのどんなジャンルにもまして、映画は一般に、繰り返し見ることに耐えられないものだ。

 ビデオ関連の新興企業で最も有望なのが、中古DVDの売買仲介をする「Peerflix」であるのも偶然の一致ではない。

 それに対して、音楽は何度でも聴ける。たとえば、発売から30年たった今でも「Love Train」を聞きながらそのフレーズを一緒に口ずさむことがあるかもしれない。こうした理由から、携帯音楽プレイヤーはビッグビジネスになる。一方、ゲームは病みつきになりやすく、任天堂のゲームボーイがよく売れているのもこの理由による。

6. 簡単に解決できる問題がない

 iPodが登場し爆発的に売れ出す何年も前から、MP3プレイヤーは存在していた。そして、 iPodの人気に火が付くもっともな理由があった。つまり、ほとんどのMP3プレイヤーはわずか128Mバイトかそれ以下のフラッシュメモリしか搭載していなかったのである、しかし、この問題はハードディスクを内蔵するだけで簡単に解決できた。

7. すでに代替品がある。

 過去に放送されたお宝鑑定番組「Antiques Roadshow」をどうしても外出先で見る必要があれば、安価な携帯ビデオ端末--つまり、携帯DVDプレイヤーで見ればいい。

著者紹介
Michael Kanellos
CNET News.comの編集者。ハードウェア、科学、研究開発分野、新興企業などの分野を幅広くカバーしている。コーネル大学とヘースティングズカレッジで弁護士の資格を取得。弁護士、フリーのライターなど、さまざまな仕事を経験している。

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