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国連がインターネットを運営するのか?

2005/07/27 13:06
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 国連がインターネットの心臓部の支配権を握るのかどうか。この問題を巡って、いま各国間で政治的な争いが起ころうとしている。

 国連の官僚たちと多くの発展途上国の通信担当大臣たちは、インターネットの運営に関して米国が過大な影響力を持っていると主張する。そろそろ自分たちに運営を任せてもらいたいというのが彼らの要望だ。

 国連の作業グループからの正式な提案が先ごろ発表されたが、その内容は発表以前にすでに明らかだった。インターネットガバナンスに関する政治的見解を求める事前調査では、新しい組織がインターネットの重要な機能を監視することを支持するという方向で意見の一致が見られるとしている。新しい組織とは、ほぼ間違いなく国連かITU(国際電気通信連合)である。

 問題になっているのは、トップレベルドメインの追加、連続するIPアドレスの割り当て、インターネットを動かしているルートサーバの運用といった重要な問題を誰が決定するのかという点だ。新しい組織が担うべき責任として、インターネットの監視、利用者の保護などが提案されている。ユニバーサルなアクセスを許す代償としてドメイン名に課税する権限を与えるという案さえ出ている。

 こうした動きは、ICANNに対する重大な政治的挑戦を意味する。ICANNは米国政府が上に挙げたいくつかの問題に対処するために設立した組織だ。

 国連のワーキンググループWGIGが最近ジュネーブで開催した非公開の会議では、ICANNからコントロールを奪う計画をほのめかす提案がなされている。以下は議事録からの抜粋だが、見ての通り、不満と怒りのオンパレードだ。

・シリア:「スパムの数は毎日増え続けている。被害者は誰かといえば、発展途上国と後進国である。スパムの運搬役となっている国はスパムを止めようと真剣に考えていない。スパムが利益になるからだ。我々は、スパムの発信源となっている国からスパムに対応するための装置を購入するしかない。しかし、これは、とても受け入れがたいことだ」

・ブラジル:(ICANNが.xxxドメインを承認したことに関して)「xxxが何を意味するか知らない人のために、はっきりさせておくが、これはポルノのことだ。大半の国では、これは価値観に深く根ざした問題だ。我が国では、このような新しい汎用のトップレベルドメインを作成することを簡単に決定してしまうような意志決定プロセスに懸念を抱いている」

・中国:「我々はインターネットの公共政策問題は国連の主権国が協力して解決すべきだと思っている。たとえば、スパム、ネットワークセキュリティ、サイバースペースといった問題を解決するために、国連に適切な専任機関を設けるべきだ」

・ガーナ:「専任の組織を設立する必要があることには既にすべての国が賛成している。この組織はインターネットに関連するすべての問題を、今利用できる専門知識の範囲内で解決するのがよい。そうすることで専門知識は国連に根付くことになるだろう」

 これらの声明文はブッシュ政権を怒らせてしまった。結果として、ブッシュ政権はインターネットドメイン名とIPアドレスのコントロールを誰にも渡さないと明言した。

 こうした国連の明らかに鼻につくやり方が、国際的な対立の前触れとなる可能性がある。難解なインターネットガバナンスの問題をめぐって政治的な混乱が起こる可能性があるわけだが、こうした情勢は、先ごろルクセンブルクで開かれたICANNの会議にもその影を落としている。また、7月28日にワシントンD.C.で開かれる「Regime Change on the Internet(インターネットの政権交代)」と題するシンポジウムでもテーマとして取り上げられる予定だ。

 ブラジルと中国は、外交手段で圧力をかけたり、公の場で不平を言うといった通常の方法だけでなく、実力行使に出る可能性がある。すなわち、ルートの分割である。つまり、ICANNには承認されないが、世界中の大半の国々によって認識され使用される新しいトップレベルドメインを作成するのだ。このような実力行使は、当然の結果として、インターネットを小国分立状態にしてしまう。そうなると、2台のコンピュータで異なるサイトにアクセスしても、それらのサイトが実は同じアドレスを持つといった事態が起こる。

 「ルートの分割の話が出たのはこれが初めてだ」とシラキュース大学の教授でInternet Governance Projectにも参加しているMilton Muellerは言う。「中国を始めとする国々は、ルートの分割が実現するような展開になることを望んでいるのかもしれない」(Mueller)。

 そんな結果になるのはまだ先の話だろうが、それが実現する可能性はある。つまり、これまであまり注目されなかったインターネットガバナンスに関する議論が、ここへきて極めて重要な意味を持つようになったということだ。

筆者略歴
Declan McCullagh
CNET News.comのワシントンDC駐在記者。以前は数年間にわたって、Wired Newsでワシントン支局の責任者を務めていた。またThe Netly News.やTimes誌、HotWiredでも記者として働いた経験もある。

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