なぜ今なのか
アナリストによれば、ソフトウェアのオンデマンド購入は、特に規模の小さい組織にとって利点の多いモデルだという。
ソフトウェアのライセンスを購入し、何カ月もかけて使用環境を整える代わりに、ホスティングサービスを利用すれば、ブラウザを介してすぐにアプリケーションを使うことができる。また、数人しか使用しないソフトウェアを購入し、毎月そのための経費を支払っているとしたら、これもまたばからしい話だ。こうしたことから、ソフトウェアサービスは事前の持ち出しを嫌がる小さな企業にとって、とくに魅力的な選択肢といえる。
1990年代半ばには、多くのアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)が誕生したが、今日ではその大半が廃業するか、あるいはCorioがそうであったように経営難に苦しんでいる。だが、近年の技術革新がこの分野に商業的な勝算をもたらした。
その1つはいわゆる仮想化ソフトウェアで、これを使えばデータセンターの運営者は、1台の大規模なサーバを仮想的に切り分け、個々のユーザーに専従的に貸し出すことができるようになる。さらにソフトウェア企業は、アプリケーションをたとえばWebサービスなどの標準プロトコルを核としてモジュール化するようになってきている。Webサービスを使えば、異なるアプリケーション間のデータのやり取りが格段に容易になる。
サービス自体もいっそう成熟してきている。管理ツールの質は向上し、企業内でアプリケーションを稼働させながら、サードパーティのサービスプロバイダーに遠隔地から管理してもらうということも可能になった。
異種のアプリケーションを統合しあらかじめパッケージ化するという、IBMやパートナー企業のこの試みは、1部署が1種類のアプリケーションを購入するこれまでの形から、さらに幅広い製品を利用するという形に、ウェブアプリケーションの市場を拡げていくことになると、アナリストらは予想する。
「1種類の製品を購入するケースはますます少なくなっている。ベンダー各社は、個別の要素を統合して幅広いソリューションを作り上げようとしている」と、Current Analysisのアナリスト、Counse Brodersは述べている。
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