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ビル・ゲイツ、ソフトウェア開発者としての力量はいかに

2005/01/26 10:00
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 5年ほど前、Bill GatesはSteve BallmerにCEOの座を譲った。

 1975年以来CEOの座にあったGatesは、これを機にチーフソフトウェアアーキテクトという新しい役職に就任した。この政権交代は、GatesをCEOの重責から解放し、新しいテクノロジーの開発に専念させるためのものだった。当時ビジネスの状況は様変わりし、すでに勢いだけの新興企業ではなくなっていたマイクロソフトは、ポストドットコムという難しい時代の幕開けに直面して、新たな舵取りをせまられていた。

 それは、Gatesにとって、自分に対する辛辣な批判が間違っていることを証明し、経歴どおり自分が根っからの技術者であること示す絶好の機会でもあった。確かに、マイクロソフトは技術の革新者というよりもむしろ追従者であるとの意見に、同社はいつもいらだっていた。

 Gatesが過去50年間で最も成功したビジネス界の大物であることについて異論を唱える人はいないだろう。しかし、ソフトウェア開発者としての評価となると、歴史は果たして同じ判定を下すだろうか。話の主題がGatesのこととなると、どんな議論も伯仲してしまう。しかし、熱くなるまでもなく、技術者としてのGatesの力量を示す証拠はすで十分にあり、それを使って暫定的な評価を下すこともできる。重要なものについて見ていこう。

Internet Explorer
 1990年代後半にブラウザ戦争でNetscapeに勝利して以来、IEはブラウザの世界を支配してきた。しかし、ライバルがいなくなると、マイクロソフトはIEをより良いブラウザにしようという動機を完全に失ってしまった。司法省がWindowsとIEを切り離す企てに失敗した後は、IE改良の動機をますます失ってしまう。しかし、ITビジネスの世界がいつまでも変わらないはずがない。

 もしマイクロソフトに目を覚ます必要があったとすれば、2004年に登場したFirefoxはまさにその目覚まし役を果たしたといえるだろう。マイクロソフトがまだぐずぐずしているようだと、2005年にはIEに代わるブラウザをダウンロードするユーザの数が激増することになるだろう。

.Net My Services
 おそらくほとんどの人は、.Net My Servicesが何をするものなのか知らないだろう。といっても別に恥じることはない。なぜなら、マイクロソフト自身にもわからなかったのだから。元々HailStormという開発コード名で呼ばれていたこのプロジェクトは、インターネットベースの気の利いたサービスを寄せ集めたようなものだった。マイクロソフトはこれを、個人情報をホスティングするためのデジタル貸金庫にたとえていた。

 しかし、このアイデアはあまりに複雑過ぎて、プロジェクトは最初から混乱をきたした。また、マイクロソフトがこのプロジェクトから利益を上げる方法を見つけられなかったことも問題だった。このプロジェクトは2002年には製品化される予定だったが、結局棚上げになってしまった。

Longhorn
 Windowsの次期バージョン「Longhorn」は、当初の予定では2004年に出荷されるはずだった。同社はいま、この新OSを2006年の後半には出荷すると言っている。さらにまずいことに、あれだけ宣伝していたWinFSファイルシステムをLonghornでは実装できないという。

 Longhornは複雑であるというのが、マイクロソフトの言い訳だ。その上、同社はSP2セキュリティパッチの出荷に膨大な人員を注ぎ込んでいた。それは事実だとしても、Longhornが管理不能なくらいに複雑化してしまったという事実は変わらない。その間に、MacintoshとLinuxはどんどん進化し続けている。

セキュリティ
 これについては、まさに自業自得といえる。マイクロソフトは自社のソフトウェアの脆弱性を修正する方法を理解するのに、とてつもなく長い時間をかけてしまった。しかし、SP2のリリース後もセキュリティ関連のバグは出続けている。当然、マイクロソフトの問題処理能力とこうした見落としについて疑問の声が上がる。自社製品のセキュリティも保証できないのではユーザに合わす顔がない。以前に比べればはるかによくなっているとマイクロソフトは言っているが、それでもセキュリティ問題は一向に収まりそうにない。

検索
 Googleが検索業界に君臨するようになってから何年も経つが、マイクロソフトはいまようやくウェブ検索技術のベータ版を手にしている状態だ。最終的には(正式版が)リリースされるというが、いつになるかは分からない。Gatesは、2004年末までには何かを出すと約束したが、依然として中身は見えないままだ。本来マイクロソフトが支配しているはずの領域であるデスクトップ検索でさえ、Googleに先を越されてしまった。

 歴史家にGatesという人物を評価させたら、おそらく彼の行った慈善事業が最も重要な業績として評価されるだろう。Bill & Melinda Gates Foundationが疫病の予防に果たした役割の大きさを考えると、そうした評価にもうなずける。

 しかし、技術者としてのGatesの能力となると話は別だ。Bill Gatesでなければ、間違いなくとっくに解雇されているだろう。

筆者略歴
Charles Cooper
CNET News.com解説記事担当編集責任者

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