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チップ開発力増強を進めるAMD

2004/10/25 10:00
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 マサチューセッツ州ボックスボロー発--Advanced Micro Devices(AMD)の次期主力プロセッサはボストンで開発されたものになるかもしれない。

 同社は、世界的に展開する新型プロセッサ投入体制強化と売上拡大策の一環として、今年夏に、シリコンバレーの本拠地から大陸を隔てた東海岸に位置する当地にBoston Design Centerを開設し、新しいチップ設計チームを発足させた。

 新チームは総勢90人を数えるが、その大半を占める約60人の設計エンジニアは、元々近くにあるSun Microsystemsのオフィスで働いていた。彼らはSunの新型プロセッサの開発に携わっていたが、同社がプロセッサ設計戦略を転換してUltraSparc Vを含む2つのプロジェクトを中止したため、7月にそろって職場を移ることになった。そのなかには、Digital EquipmentのAlphaプロセッサ開発にも携わった経験を持つ血統書付きのチップ設計者も多い。

 一方、AMDの業務開発/顧客サポートディレクターを務めるDavid Richは、AMDの顧客が製品に対して「あらゆるバリエーション」を求めていたと述べている。

 「設計グループの増強が望まれていたため、優秀な人材が集まるボストンを我が社の(プロセッサ設計の)本格的な拠点にすることにした」(Rich)

 32ビットおよび64ビットの命令を処理できるサーバ用Opteronなどの製品を擁するAMDは、ここ数四半期を通じて財務面で好調を維持しており、プロセッサビジネスへの開発資源投下も開始している。同社には現在、PCとサーバのプロセッサ設計チームが大小合わせて5チームある。さらに、もう1つのチームは、セットトップボックスや産業用携帯端末用のGeodeなど、PC向け以外のチップを開発している。

 ボックスボローのエンジニアチーム、インドのバンガロールにあるIndia Engineering Centerの小グループ、そして東京でモバイルプロセッサに特化するAMDジャパン・エンジニアリング・ラボ(JEL)の3つの新チームは、いずれも今夏に発足したものだ。そして、これらのチームの取り組みと、カリフォルニア州サニーベールやテキサス州オースチンにある両本社の既存の設計グループの成果が結びついている。AMDは、売上や利益の拡大、そしてPCプロセッサ市場で競合するIntelからのシェア奪取を目指し、さまざまな新型チップの開発に取り組んでいる。

 マサチューセッツを拠点とするチームの新メンバーは、大学のようなスタイルでチップ設計論の講義を開設/参加するなど、入社後の数週間をAMDに慣れることに費やした。SunとAMDのチップは、全く異なるアーキテクチャを採用している。彼らは、ロケットの模型を製作し、発射させるといった活動を通じて、チームワーク作りにも取り組んだ。

 そしていま、この新チームも本業に取り組む準備が整っている、とRichは語る。

 「ここに集まった人材は、すでに豊富な経験を持つ者ばかりだ。しかも、Sunに新卒で入社したわけでもなく、それ以前からの経験を有する者も多い」(Rich)

 同様に、AMDはバンガロールでも地元の優秀な人材の活用を目指しており、今年末には40人規模のエンジニアチームを立ち上げたい考えだ。

マルチコアへの対応力

 マサチューセッツのチームは、1枚のシリコン片に複数のプロセッサコアを詰め込むマルチコアチップや、ノートPCやサーバに最適な低消費電力プロセッサといった分野の専門知識を有している。どちらも、AMDがビジネス拡大に向けて重視している製品分野だ。

 たとえば、同社は2005年半ばに、ワークステーションやサーバ用のデュアルコアプロセッサを発売する計画を進めており、先ごろデュアルコアOpteronチップを搭載したHewlett-Packard(HP)製サーバのデモを行った。2005年後半登場予定のPC用デュアルコアチップも、いずれは同社の主力製品になるだろう。

 Microprocessor Report編集長のKevin Krewellによると、プロセッサの設計力強化に向けた動きはAMDにとって良い兆候だという。同社はこれまで、基本的にはプロセッサを並行して開発することができなかった。

 「AMDの設計関連の人材数が(プロセッサ)コアを並行して開発できるクリティカルマスに達したのだと思う。これで同社は、完全に独立した2つのチームを並行して動かし、2種類の製品を同時に投入できるだけの人材を確保した」(Krewell)

 Krewellは、AMDが今後は新しい人材をノートPCやサーバ用チップに集中的に投入するとの見方を示している。

 「現在、デスクトップ用パーツには、モバイル(プロセッサ)やサーバのものを相当な割合で流用できる。ノートPCは法人・個人向けに伸びている市場であり、またサーバは平均販売価格が高い。AMDはこれらの製品から安定した収入を得られるようになる」(Krewell)

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