古代ローマと同様、MicrosoftとIntelの両社は厄介な問題で身動きがとれなくなりつつある。Microsoftはすばらしい検索エンジンとダイナミックなインターフェースをLonghornに組み込もうとしている。Windowsの64ビット・ソフトウェア対応も進めている。また、数多くのエンジニアのチームが、ゲームコンソール、携帯電話用ソフトウェア、テレビ向けソフトウェアの改良に取り組んでいる。
一方、技術の世界でのLinuxとGoogleの存在感はますます大きくなっている。しかし、力で直接ねじ伏せるような無節操なやり方では非難されるので、こうした勢力に対抗する新しい方法を考えなければならない。
Intelでも、サーバ、デスクトップ、ノートPC関連の各プロジェクトで軒並み遅れが生じている。一方、通信関連事業部は赤字続きで、携帯電話分野でTexas Instrumentsに対抗すべく立ち上げた事業も遅々として進んでいない。昨年は、フラッシュメモリ部門から利益をしぼり出そうとしたが、かえって顧客を失う羽目に陥った。
しかし、開発の最前線は、本社に比べてよくやっているようだ。Pentium 4の基本アーキテクチャは米国内で設計されたが、発熱量が多すぎることが分かった。このため、来年の出荷予定は延期されてしまった。しかし一方では、イスラエルの設計グループがノートPC向けチップ「Pentium M」の開発に成功している。2006〜2007年頃には、このラボから生まれたコンセプトが同社のデスクトップ向けチップの基礎になるだろう。
もちろん、IntelとMicrosoftのこうした現状については別の見方もできる。Longhornは、Windowsの過去3バージョンの中で、最も大きなアップデートである。これは、ある意味で、Windows 95の時と似ている。Windows 95も繰り返し出荷が延期されたが、結局はデスクトップを大きく様変わりさせることになった。
それに、Microsoftは、ここ1年半ほど、IT化が遅れている諸外国との関係構築に力を入れている。これは、将来IT化が予想される有望な市場でLinuxの導入を阻止するための防波堤となるだろう。Microsoftは600人近くの社員に「国家技術担当」とか「公共部門担当ディレクター」とかいう肩書きを与え、ブラジルなどの政府の役人たちに、ソフトウェア教育の問題、貿易や知的財産の法的規制に関する情報を提供している。
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