さまざまな障害はあるにせよ、その見返りはリスクに十分見合うものかもしれない。Parks AssociatesのアナリストMichael Caiによれば、中国のオンラインゲームプロバイダーShanda Interactiveの売上高は、2001年の50万ドルから2003年には7200万ドルに跳ね上がったという。アジア諸国への輸出も好調で、韓国のゲームは台湾、タイ、中国、日本でも提供されている。アジアのゲームは米国でも健闘しているようだ。
「絶えず新しい市場に参入し、異なる趣味を持つユーザーを相手に、一からビジネスを構築しなければならない。これは大変な挑戦だが、決して不可能というわけではない」とDFC Intelligenceのアナリスト David Coleはいう。「ポケモンの米国進出ですら、いっときは中止の危機にあった。開発元が翻訳は不可能だと考えたからだ。しかし、ポケモンは米国で数十億ドルを稼ぎ出す大ヒットとなった。発売元はさぞ満足していることだろう」
ゲーム会社は関連ビジネスの機会に視野に入れている。日本ではRagnarokをベースにしたTVアニメが人気を博している。原作マンガの版権交渉は15ヶ国で進行中だ。Ragnarokには2500万人ものアクティブなプレイヤーがいることを考えると、キャラクタービジネスも期待できる。Gravityはベトナムやオーストラリアなどでも順次サービスを開始していきたいという。
Gravityの古代ファンタジー「Ragnarok」はアニメ風のキャラクターが活躍する多人数参加型のオンラインRPGだ。(画像提供:Gravity)
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韓国のゲーム会社は海外市場での闘いに自信を見せる。その理由の1つのは、自国での経験のおかげで、先駆者の利益を享受できるからだ。ローカライズのノウハウに関しては、自分たちに一日の長があると各社は口をそろえる。
WebzenのKimによれば、アジアのプレイヤーはキャラクター同士のけんかや殺し合いを好むのに対し、米国のプレイヤーはゲームを冒険として楽しむ傾向があるため、米国版にはその点に配慮した修正を加える予定だという。
また、ゲームに参加するためのシステム要件が低く、コンセプトが複雑でないことも、間口を最大限に広げる役に立っている。
そのせいかどうかはともかく、オンラインゲームに対する関心は、地理的にも人口統計的にも着実に広がっているようだ。Gravity会長のJeong-ryul Kimは、米国市場の会員の72%は米国人で、オリジナルのアジア版を知っている在米アジア人ではないこと、またRagnarokのプレイヤーの30%近くは女性であることを指摘する--もっとも、これはKimがオンラインゲームの将来性に絶対の自信を持っている理由のごく一部にすぎない。
「(2010年には)娯楽市場の少なくとも3分の1をオンラインゲームが占めるようになるだろう」(Kim)
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