さまざまなゲーム会社が、それぞれ別のアプローチで世界進出を狙っている。Gravityは「Ragnarok」のライセンスを独立系の運営会社に供与し、ロイヤルティを受け取っている。Webzenも販売元企業にライセンスを供与しているが、同時に海外市場向けのサーバを設置し、会員登録を直接受け付けている。NCsoftもこの方法を採用している。
WebzenのCEO、Namju Kim |
Webzenは暗黒の帝王クンドンやその下僕たちと闘うオンラインゲーム「Mu」を3ヶ月以内に米国に上陸させ、米国支社を立ち上げる予定だ。
「クンドンには人間を操ったり、人々の結束を妨げたりする力がある」とKimは真顔で説明する。「宇宙を救うためには、われわれはクンドンを倒さなければならない」
WebzenとGravityは、米国市場にさまざまなチャンスを見ている。その1つが、現在のPC用ゲームを家庭用ゲーム機(MicrosoftのXboxなど)に移植することだ。来年のE3(ロサンゼルスで開催されるゲーム見本市)では、移植計画や新作のニュースを聞くことができるかもしれない。
しかし、特定の地域で人気を集めたゲームが、世界レベルのヒットにつながった例はほとんどない。韓国のNCsoftは中世を舞台にしたメロドラマゲーム「Lineage」を欧米でヒットさせようとしたが、大きな成功を収めることはできなかった。また、懐疑派はSony Online Entertainmentの「EverQuest」がアジア市場で味わった苦い経験を何度も引き合いに出す。
「(オンラインゲームを)成功させるのは難しい。巨額の制作費がかかるだけでなく、新しいコンテンツを絶えず追加していかなければならない。バックエンドの請求システムを構築する必要もある」と調査会社IDCのアナリストSchelley Olhavaはいう。「しかも、この手のゲームで遊ぶプレイヤーは限られている」
米国では今年、オンラインゲームの総売上高が6億5000万ドルに達すると見込まれている。しかし、会費収入はこのうち3億5500万ドルを占めるにすぎない。しかも、ここにはファンタジーゲームや「Hearts」のような伝統的なゲームサービスの売上も含まれている。数字が伸びない大きな原因は帯域幅の問題だ。画像を多用したオンラインゲームを楽しむためにはブロードバンド環境が必須だが、韓国や一部のアジア諸国と比べると、欧米諸国のブロードバンド普及率はきわめて低い。
Webzenの「Mu」には毎週、200人近いデザイナーが細かい変更を加えている。(画像提供:Webzen)(クリックすると拡大します) |
それに加えて、ゲーム会社は製品を常に新鮮でやりがいのあるものに保つという難題も抱えている。「Mu」の場合は200人近いデザイナーがほぼ毎週のペースで細かい変更を加えている。大規模なアップグレードは3ヶ月ごとに行われる。
「次々に新しい武器やモンスターが登場する」とWebzenのKimはいう。この夏には、プレイヤーは2つある城のどちらかに集結し、激しい攻城戦を繰り広げることになっている。
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