ストーカーをなくせ!私につきまとうスパイウェア

John Borland(CNET News.com)2004年04月14日 10時00分

 私はここ数週間、スパイウェア対策ソフトと銘打ちながら実はスパイウェアや広告アプリケーションを何の警告もなく勝手にインストールする会社について調査している。まず、平均的なコンピュータユーザーになったつもりでコンピュータのセキュリティの設定をあえてゆるくし、問題のアプリケーションをおびき寄せることにした。

 決して賢いやり方ではなかったね、とイカれたハードドライブを入れ替えるために私のマシンを持ち去ったIT技術者は言った。ここ数週間コンピュータの症状は日増しにひどくなり、ついには会社のネットワークにウイルスをばらまき始めたのである。

 まず、Webブラウザが正常に動かなくなって異変に気付いた。私は、Internet Explorerを普段使用しないから、ポップアップウィンドウに悩まされることはない。しかし突然、ポップアップウィンドウが目の前に立ちはだかるようになった。問題のソフトウェアをインストールした直後、Yahoo Messengerの「ニコニコマークの」アイコンを提供するウィンドウが立ち上がるようになってしまったのだ。さらにありがたいことに、Googleを利用する度に、私が何を検索しようが、Zesty Findというサイトの画面がポップアップして、私のいく手をさえぎるようになった。

 間もなく、--いつの間にインストールされたのか--画面に新しいツールバーがいくつか現れた。そのほとんどは、Search Web Now やZesty Find(またもや)という無名のサーチツールへのリンクを提供するものだった。一番厄介なのが、「zooootrllpq」という名前のやつで、いまだInternet Explorerからアンインストールする方法がわからない。もちろん熱帯性のカブト虫のことではない。

 私のInternet Explorerのお気に入りも、勝手にアップデートされてしまう。スパイウェアの駆除ソフトをインストールして数時間後、私はオンラインカジノのほかに、「fetish」や「shemale」といった話題満載のアダルトサイトをIEブックマークに堂々と登録する、恥じらいのないユーザーに仕立て上げられてしまった。他のリンクも、何の脈絡もなくデスクトップに現れ、時にはネット上のギャンブルサイトへ、そして時には出会い系サイトへ私を誘導しようとする。

 さらに、Flashアニメーションの広告が突然ロードされて、ブラウザ画面上で再生されるということが、何度も繰り返された。また、昔から存在したようなポップアップウィンドウは私に絶えずつきまとった。

 私がここ数年、アドウェアやスパイウェアについて心がけてきたこと、それはとにかく気を付けることと、Ad-awareやSpybot Search & Destroyといったスパイウェア駆除ソフトを利用することだ。私は、1つめのおきてをあえて破った。するとすぐに、2つめのおきて(スパイウェア対策ソフトのインストール)がいかに役立たないものであるか分かった。2つのスパイウェア駆除ソフトは、すぐにアドウェアを検出した。それから私は何時間もかけて、怪しいファイルを削除し、コンピュータを再設定した。しかし、それでも毎日欠かさず、同じ厄介者が戻ってくるのだ。どういうわけか、彼らは、冬眠中の種のようにハードドライブのどこかに隠れていて、コンディションが整えばいつでも芽を吹くのだ。私の場合、コンピュータを起動するたびに発芽した。

 ついに屈辱の時がきた。私をさんざん悩ませた挙げ句、プログラムは雑草のようにはびこり、会社のネットワークにウイルスをまき散らし始めた。それを機に私は、SWAT(特別機動隊)のお世話になるようになった。

 私には、さすがにLinus Torvaldsほどの技術知識はない。しかし、これでもWindowsの設定には明るいつもりだ。悪意のある人からwhite-hat .dllファイルを送りつけられれば識別できるし、「ブラウザ・ヘルパー・オブジェクト(BHO)」をすぐにでも解除できる。私の感覚では、平均的なWindowsユーザーは、このような現象が起きる原因や解除の仕方について、私よりもっと知識が少ないはずだ。いずれにしろ、私は途方にくれてしまった。

 何か手を打たなければならない。何者かが家の中に侵入し、勝手に窓辺にポスターを貼り付けたも同然だ。しかも、そのポスターは何度破り捨てても、数時間後にまた現れるのだ。

 私たちは、テレビやラジオといったメディアの広告には慣れている。「メディア」がここでのキーワードだ。ウェブサイトはたしかにメディアであり、そこで目にする広告は、ウェブ体験の中で現れるものだ。一方、パソコンは個人の資産である。パソコンに侵入されたとなると、プライバシーや私有財産に関する通常の法律が適用されるはずだ。

 私の体験や、他のたくさんの人々の報告からも分かるように、立ち入り禁止のサインを掲げるだけでは、対策は不十分だ。現在の米国には、顧客の誤解を招きやすい記載を取り締まる法律が存在する。米連邦取引委員会(FTC)は、スパイウェアやアドウェアに同法律を適用することを検討中だ。パソコンユーザーは、まだまだ援助を必要としている。不法侵入したりプライバシーの侵害をしたりすることに良心のとがめさえ感じない企業に踊らされる筋合いはない。彼らが自分たちの行動に責任を求められる日は、きっと来る。

 それでは、これで失礼したい。今から、ハードドライブにRoach Motel(粘着式ゴキブリ捕獲用商品)をセットアップしないといけないのだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]