最終更新時刻:2009年7月11日(土) 10時00分

KDDIが日露間に海底ケーブル新設 日欧の遅延時間半減

FujiSankei Business i.

2008/09/08 10:56  

 KDDIとロシアの通信最大手ロステレコムは5日、日露間に新設した光海底ケーブル「RJCN」の運用を6日に始めると発表した。ロシア経由で日欧間に最短の通信ルートを確保でき、通信の遅延時間が半減する。

 日本からロシア・欧州への進出企業や、金融取引などで通信の即時性が求められる企業の需要を見込む。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)も7月に日露海底ケーブルを開通させており、両者の顧客争奪戦が本格化する。

KDDIの伊藤泰彦副社長(右)とロステレコムのコンスタンティン・ソロドゥーヒン・ゼネラルマネージャー(左) 握手するKDDIの伊藤泰彦副社長(右)とロステレコムのコンスタンティン・ソロドゥーヒン・ゼネラルマネージャー=5日、東京都千代田区の帝国ホテル

 RJCNは、新潟県上越市直江津とロシア・ナホトカ市間の約900キロを異なる2ルートで結び、最大で毎秒640ギガビットの大容量通信を提供。ナホトカから先は、ロステレコムのロシア横断回線によりモスクワ、サンクトペテルブルク、欧州の主要都市へと結ぶ。

 記者会見でKDDIの伊藤泰彦副社長は「多くのロシア企業に大変役立つ」と説明。ロステレコムのコンスタンティン・ソロドゥーヒン・ゼネラルディレクターは、2ルートで完全にバックアップできる点で「地震などのトラブルに強く有利だ」と強調した。

 日欧間の通信は従来、主にインド洋や中東を経由する南回りのルートか、北米大陸を横切って大西洋へ抜けるルートが用いられていた。しかし伝送距離が長く経路も複雑なため、例えば東京−ロンドン間では0・3秒以上の遅延が生じた。RJCNによる新ルートでは0・194秒以下と大幅に改善される。

 日露間には従来もKDDIが参画する海底ケーブルがあったが、通信容量は毎秒560メガビットに過ぎず、主要ルートではなかった。RJCNは1000倍以上を確保し、顧客ごとに提供できる容量も毎秒2メガビットから10ギガビットへ大幅に向上。ハイビジョン映像や、先端科学の実験データなどの大容量伝送にも対応できる。

 一方、NTTコムはロシアの通信大手トランステレコムと共同で、北海道石狩市とサハリンを結ぶ光海底ケーブルを開通させた。通信容量はRJCNと同じ毎秒640ギガビット。運用上の差異は大きくないため、料金やサービス面の競争が予想され、ロシアや欧州側での営業力も問われそうだ。

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