最終更新時刻:2009年7月10日(金) 9時00分

公取委、イー・モバイルに警告

FujiSankei Business i.

2008/09/05 11:01  

 公正取引委員会は4日、イー・モバイル(東京)が携帯電話サービス「定額パック24」の広告で「月980円で24時間通話無料」などと宣伝した際、ほかに必要な料金の情報を小さく表示していたのは景品表示法違反(有利誤認)の恐れがあるとし、同社に警告した。

 公取委によると、同社は今年2〜5月、関東地方など計186駅のポスターやテレビCMで「ありえない!電話基本料0円」「ケータイ初!月々980円で24時間通話無料」と宣伝。別にデータ通信利用料が月1000円必要で、最低でも月額1980円がかかることは、小さな文字でしか表示していなかった。

 他社の定額サービスと比較した新聞、雑誌広告でも、イー・モバイルは料金は安いが、定額で通信できるデータ量が少ないことを説明していなかった。

 携帯電話の料金プランの表示をめぐっては、ソフトバンクモバイルが2006年12月、NTTドコモとKDDIも昨年11月に公取委から警告を受けた。

 ■競争のたび不当広告 顧客争奪“懲りない体質”

 通信事業者の広告不当表示が止まらない。業界団体で自主基準とガイドラインを定めたにもかかわらず、違反すれすれの表現を繰り返す“懲りない体質”がまた露呈した。

 今回のイー・モバイルで、携帯電話会社は全社が公取委の警告を受けた格好だ。NTT東日本と西日本も今年3、7月の2度にわたり、光回線を用いた電話サービスの広告などで最も重い処分である排除命令を受けた。この背景には、通信という形の見えないサービスで、激しい料金値下げ・割引競争を繰り広げている市場環境がある。

 例えば、ソフトバンクが「通話、メール0円」と表示して警告を受けた際には、直前の10月に携帯電話の番号ポータビリティー(番号継続制度)が導入され、顧客争奪戦が過熱している最中だった。音声通話参入に伴う今回のイー・モバイルの処分も含め、新たな競争が起こるたびに不当表示は繰り返された。

 公取委はイー・モバイルについて、「1980円でも十分に安いが、わざわざ980円を強調したのは、他社の980円の人気プランに対抗するため」と指摘。「安い印象をよりインパクトのある形で伝えようと無理な表現をすれば、実態がわかりにくくなる」と警鐘を鳴らす。

 処分は氷山の一角とされ、通信各社の過剰な広告合戦は今も続いている。

 不当表示は「見る人がどう受け止めるかに少し配慮するだけで防げる」(公取委)という。だが、通信料金は、基本契約の内容や通信先によって大きく変動する上、新サービス導入や割引条件の細分化が相次ぎ、全体像を理解することさえ困難になってきた。

 ある業界関係者は、「2年契約や違約金のように、消費者に誤認や不利益を与えかねない複雑な仕組みこそ、可能な限りシンプルに改めるべきだ」と訴えている。

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