FujiSankei Business i.
2008/07/15 12:05
KDDIは、インターネット(IP網)経由で携帯電話などにエリア限定のワンセグ放送を配信できる技術を開発、2009年度にも実用化する。中継局が不要で、インターネットさえあれば商店街や駅など狭い範囲に独自の放送を配信できる。現行の中継局経由の放送に比べ大幅なコスト削減が見込めるとしている。顧客企業向けの専用番組の制作などテレビ局の新たな収益源になる可能性もある。
14日発表した新技術はKDDI研究所(埼玉県ふじみ野市)が開発。撮影したデジタルデータを、放送局などに設置した専用サーバーでインターネット形式に変換。施設などに設置した超小型放送装置が受信したデータをワンセグ信号に変換し、小型アンテナから半径数百メートル程度のエリア限定放送を行う。チャンネル数4個の場合のシステム構築コスト比較では中継局方式に比べ4分の1程度に低減できる試算もある。
KDDIでは美術館での展示品紹介や、駅での観光案内、店舗での情報配信など地域住民や訪問者に有効な放送サービスを見込んでいる。同じコンテンツを複数エリアに同時配信することも可能で、全国展開するチェーン店などに、情報を同時配信することもできる。
エリア限定ワンセグ放送の技術開発は各社が手がけているが、基地局からの電波を複数の中継局がリレー受信して放送する仕組みでは、少ない視聴者と高いインフラ構築コストが難点だった。中継局なしで特定地域向け番組が放送できれば、コストの大幅な削減が可能になる。
従来のワンセグ放送は、基本的に地上波の番組をそのまま放送するため収益化が困難だったが、新システムを使えば顧客となる企業や店舗、自治体などに独自番組の制作や配信サービスを展開できる。地方のテレビ局が地元企業向けコンテンツの制作などで新たなビジネス創出も可能になる。
KDDIは、放送局などにサーバーやネットワーク管理などのサービスを提供していく方針で、来年度以降の本格的な事業化を計画している。
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