米政府の所有する無線周波数帯の競争入札で、重要な周波数帯ブロックへの入札が進んでおらず、このまま推移すれば競売主催者側は、一部に公的安全機関との共有を義務づけている条件を見直さなければならなくなるかもしれない。
米連邦通信委員会(FCC)は4日間にわたって700MHz周波数帯の入札ラウンドを12回実施したが、「D」ブロックへの入札は依然として1件のままだった。Dブロックは、警察、消防などの公的安全機関との共有が義務付けられているブロックだ。
競売に出されている5ブロックの周波数帯に対する入札総額の最高額は、29日の時点で86億6000万ドル近くに達した。この競売の入札総額は、最終的には少なくとも100億ドル達すると見られている。
しかし、Dブロックだけは24日の第1回入札で提示された4億7200万ドルという金額のままだ。これは、FCCが設定した同ブロックの最低価格13億ドルを大きく下回る。
米下院の通信およびインターネットに関する小委員会で委員長を務めるEdward Markey議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は29日の公聴会で、Dブロックへの入札がこれほど出遅れているのは、「困ったことだ」と述べた。
業界アナリストによれば、Dブロックへの入札が進まないのは、銀行の貸し渋りによって企業の資金調達が困難になっている現状を反映している可能性もあるという。
FCCの入札規則では、Dブロックの落札者は公的安全機関と協定して、ネットワークを全国規模で敷設し、緊急時には公的安全機関に優先的に使用させることが義務付けられている。
Dブロックでこのまま当初設定した最低価格に入札額が届かなかった場合は、FCCは同周波数帯の競売をやり直すことができる。おそらくは、その際に付帯条件を緩和する可能性が高い。
そのような事態になった場合は、下院の小委員会が、最低価格その他の付帯条件を含め「競売に関するパラメータを前向きに再検討する」ことになるだろうと、Markey議員は語った。
同じく同委員会のメンバーであるJane Harman下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)はFCCに対して、これは公共の安全性を強化する画期的な機会を提供するものであり、共有ネットワークの計画を後退させたり、遅らせたりすることのないようにと強く訴えた。
Dブロック周波数帯への有力な入札企業と見られていたFrontline Wirelessは、1月はじめに入札を断念した。理由は明らかにされていないが、アナリストらによれば資金不足が原因だろうという。
入札資格を持つ企業には、AT&TやVerizon Wirelessなどの大手通信企業が含まれているが、インターネット企業であるGoogle、EchoStar Communications、Cablevision Systemsなども新たにライバルに加わる可能性がある。
Verizon Wirelessは、Verizon CommunicationsとVodafone Groupの合弁企業だ。
競売は、数週間から場合によっては数カ月かかる可能性がある。FCCの規則により、入札者の身元はすべてのオークションが終了するまで公表されないことになっている。
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