最終更新時刻:2008年12月5日(金) 15時33分

NTT光回線加入者目標 2000万件に下げ 遠のく“高速ブロードバンド大国”

FujiSankei Business i.

2007/11/12 11:24  

 NTTの三浦惺(さとし)社長は9日、2010年度時点での光ファイバー回線の加入者目標を3割以上引き下げ、2000万件とすると発表した。三浦社長は「今後のサービスに影響はなく、拡大を図りたい」とするが、04年に発表した中期経営戦略に掲げた目標の3000万件を大幅に下方修正したことで、“高速ブロードバンド大国”実現の夢は遠のいた。

 従来目標と1000万件もの乖離(かいり)が出たことについて、三浦社長は「中期経営戦略を発表した3年前は、現在のようなブロードバンドの進展が見えておらず、当時の加入電話回線6000万件の半分として示したビジョンにすぎない」とした。さらに、発表から目標時期までの折り返し地点に来ていることに触れ、今年度末でようやく1000万件に近づきつつあることから、「(NTTの光回線)Bフレッツとしての需要を実質的に精査した結果」と説明した。

 目標発表当初から3000万件という数字は「非常に高いハードル」と指摘されていた。NTTグループ内では「NTT東西が、それぞれ月間50万件ずつ数字を上積みし続ければ達成できる数字」といわれてきたが、最近の加入は「東西平均で月間20万件程度」という。特にNTT西では、大阪地方を中心に電力系通信事業者との価格競争が激しく、需要の見込める都市部での加入が進まない状況だ。

 三浦社長は「光回線の需要をさらに伸ばすにはキラーコンテンツ(人気の高いサービスなど)が必要な時期にきている」とし、「地上デジタル放送の再送信を含め、映像を中心とした新しいサービスで需要を喚起したい」と話している。

 一方、政府は「目標引き下げの影響はない」と主張するが、国の政策に現場のNTTが追いついていない現実を露呈した。

 総務省は昨年8月の「次世代ブロードバンド戦略2010」で、光回線による超高速ブロードバンドFTTH(ファイバートゥーザホーム)の世帯カバー率を10年までに90%とする目標を掲げた。同省高度通信網政策課などは、この数字は希望すれば光サービスを使うことができる世帯を指す「カバー率」で、「NTTの実契約数とは比べる次元が異なる。(目標引き下げで)直ちに世帯カバー率への影響が起こるとは考えていない」と説明。世帯カバー率は6月末時点で84・1%に達している。

 しかし、実際に光ファイバー回線への加入は伸び悩んでいる。一般家庭が月額5000円を払ってまで加入するほど光回線に魅力がないとみられているためで、“使わずにはいられない”サービスを提供できるかが、普及のカギを握っている。

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