モバイルチャンネル
FujiSankei Business i.
2007/09/25 11:05
通信ベンチャーの日本通信が、NTTドコモの携帯電話回線の接続料金の透明化などを求めて総務省に裁定を申請していた問題で、総務省は21日、日本通信側に価格決定権があるとする裁定案を発表した。年内に検討案通り答申されれば、ドコモには回線貸し出し価格を公表する必要が生じる。これによりドコモやKDDIなど既存携帯事業者の回線を使って携帯事業に新規参入する動きが加速し、本格的な価格競争につながる可能性も出てきたといえそうだ。
総務省は同日の裁定案で、日本通信の5つの申請に対し、開発費用負担など3項目について「裁定せず」の判断を下したが、料金設定権については「日本通信側にあることを前提に検討する」との案を示した。総務省では「競争促進や利用者利益、市場の健全発展の観点から検討を進めた」とし、この結果、日本通信に有利な案が示された。
今回の裁定案を受け、ドコモは「当社の言い分が認められず残念。引き続き意見をしていきたい」(広報部)としている。
日本通信は、ドコモと電気通信事業法に基づく「相互接続」の交渉を昨年11月から継続。ただ両社間で設けていた交渉期限内に料金面で合意に至らなかったことから、7月に総務相へ裁定を求める申請を行った。携帯回線を巡る紛争が行政訴訟に発展するのは初めて。
日本通信は、基地局など自前の設備を持たず、既存事業者の回線を借りて通信サービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれる通信事業者。2001年10月からPHS(簡易型携帯電話)専業のウィルコムの回線を使ったノートパソコン向けの通信用サービスの提供を開始。昨年10月からは、より高速な通信速度を実現できるドコモの第3世代携帯に対応したデータカードを開発し、事業化への準備を進めていた。
既存携帯事業者の回線を他事業者に貸し出す回線貸しは、設備の容量を有効に使えるため欧米では一般的。ただ日本では、本格化な料金競争を避けたい既存携帯事業者が消極的な姿勢を崩しておらず、総務省では、政策的に普及を促そうとしている。