FujiSankei Business i.
2007/05/25 11:56
NTTのインターネット通信網で障害が相次いだことを受け、総務省は24日、NTT東西両社や情報通信関連の業界団体に対し、事故・障害対策を総点検するよう文書で行政指導した。インターネットの通信技術(IP)を用いたネットワークは、低コストで高速大容量化が容易だが、技術の未成熟なことからトラブルが絶えない。このため総務省は、IP通信網の運用体制全体を問題視し、組織整備や人材育成まで含めた抜本的見直しを求める異例の指導に踏み切った。
NTTのIP通信網では今月15日夕から16日未明にかけて、東日本の14都道県で約239万契約に障害が発生。さらに23日午前、東日本と西日本のIP網接続装置が故障し、IP電話サービス「ひかり電話」の約318万契約で東西間の通話ができなくなった。
これを受けて、情報通信審議会(総務相の諮問機関)の情報通信技術分科会は24日、「ネットワークのIP化に対応した安全・信頼性対策」として90項目の取り組みが必要と答申。総務省は同日、NTT東西の役員らを呼んで指導文書を手渡した。
対策は、非常時の復旧手順見直し▽ソフトウエアの定期的な点検と更新▽IP網の異常検知や、予備系統への自動切り替えの研究開発▽警察などへの緊急通報手段の確保▽事業者をまたがる通信網管理の検討−など多岐に渡り、「現時点で考えられる対策はすべて網羅した」(総務省電機通信技術システム課)。同省は今後、実施状況の報告を求めていく。
一方、NTT東西と、NTT東のネットワーク事業子会社「NTT−ME」は24日、前日発生したひかり電話の障害原因の詳細を公表した。東西のIP電話網をつなぐ接続装置のハードディスクをMEの下請け会社が交換した際、大文字の情報を小文字で入力したためデータの一部が破損し、装置が停止した。東西IP電話網の接続装置は1台しかなかった。
MEは障害の原因が分からないまま接続装置のプログラムを再インストールし、発生から3時間半で復旧したが、原因特定には21時間を要した。
NTTグループでは昨年9月に東日本で発生したひかり電話の大規模障害を契機に、IP電話のネットワーク強化策を検討していた。接続装置の処理能力向上や、障害発生時に他の事業者のネットワークや設備を融通する相互連携体制などを模索し、一部では改善策も講じているが、「まだ抜本的解決に至る結論は出ていない」(NTT東)という。
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