アップル製のPHSが登場?--ウィルコム、通信モジュールを各社に提供

永井美智子(編集部)2005年07月07日 18時49分

 アップルコンピュータやバンダイが製造したPHS端末が登場するかもしれない。

 ウィルコムとウィルコム沖縄は7月7日、PHSの無線通信部分をモジュール化した「WILLCOM コアモジュール」を開発したと発表した。機器メーカーはこのモジュールを利用することで簡単にPHS端末を製造できるほか、家電や玩具などに組み込むこともできる。

 同社はWILLCOM コアモジュールを活用した新しい端末やビジネススタイルを検討する団体「WILLCOM コアモジュール フォーラム」を11月に設立する。このフォーラム設立の趣旨に賛同する企業として、アップルやバンダイ、マイクロソフトなどの名前が連なっている。ただしこの件に関してアップルはコメントを避けている。

音声通話とデータ通信の両方の機能をもつ「W-SIM(ウィルコムシム)」

 WILLCOM コアモジュールには、データ通信に特化したコンパクトフラッシュ大の「CSCエンジン」(関連記事)や、データ通信と音声通話の両方に対応する「W-SIM(ウィルコムシム)」、通信モジュールを1チップ化した「PHSエンジン」などがある。CSCエンジンやPHSエンジンは機器に組み込む必要があるが、W-SIMはデータカードとして抜き差しができるようになっている。

 「これまで機器メーカーやデザイン会社は、通信モジュールを作れないために通信端末を作ることができなかった。WILLCOM コアモジュールを利用することで、機器メーカーは無線技術がなくても通信機能を機器に搭載できるようになる。また、ハードウェアやソフトウェアなど、付加価値の部分の開発に注力できる」(ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏)

 W-SIMのデータ通信速度は最大128kbps。約600kバイトのユーザーメモリ領域を備えており、電話帳の場合約700件のデータを保存できる。大きさは幅25.6mm×高さ42.0mm×厚さ4.0mmと小型で、アンテナを内蔵している。「アンテナ感度は既存のPHS端末とほぼ変わらない」(ウィルコム執行役員の近義起氏)

 ウィルコムによれば、年内にもW-SIMに対応した製品群「WILLCOM SIM STYLE」が登場する予定という。製品の販売は機器メーカーなど、ウィルコムのパートナー企業が行う。W-SIM単体の価格は1万円以下となる見込み。エンドユーザーはPHSの回線契約をウィルコムと結ぶ必要がある。通信料金については「音声通話やデータ通信など利用形態に応じた料金体系をこれから策定する」(八剱氏)としている。

WILLCOM SIM STYLEの試作機。端末にW-SIMを差し込んで利用する(右)。製造は本多エレクトロンが、デザインはリーディングエッジデザインが担当した。大きさは幅47.8mm×高さ102.1mm×厚み19.8mmで、1.4インチのTFT液晶を搭載する

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