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インターネットの生みの親、サーフ博士とカーン博士が語るネットの将来

2008/04/23 12:14
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 財団法人国際科学技術財団は4月21日、2008年日本国際賞の合同記者会見を開催した。日本国際賞は、科学技術において、独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められた個人やグループに与えられる賞だ。

 第24回の受賞者は、情報通信の理論と技術分野において、インターネットのネットワーク設計概念と通信プロトコルの創成に貢献したGoogle副社長兼チーフ・インターネット・エバンジェリストのヴィントン・サーフ博士と、Corporation for National Research Initiatives(CNRI)会長、CEO、社長のロバート・カーン博士の両名。また、ゲノム・遺伝医学分野においては遺伝医学の確立と発展に貢献したジョンスホプキンス大学医学部遺伝医学部門教授のビクター・マキューズィック博士が選ばれた。

 同日開催された記者会見では、国際科学技術財団理事長の吉川弘之氏、日本国際賞審査委員長の熊谷信昭氏とともに3者が登壇。受賞の感想などを語った。

 情報通信の理論と技術分野の受賞者であるサーフ博士とカーン博士の両氏は、インターネットの基盤技術である通信プロトコル「TCP/IP」を共同研究し、普及活動に努めた人物。インターネット概念の創成とその進展を推進し、現代の文化・社会の変革と発展に決定的な役割を果たした業績が称えられた。

ヴィントン・サーフ博士 情報通信の理論と技術分野の受賞者であるサーフ博士

 受賞にあたり、サーフ博士はこれまでの道のりを振り返るともに、「現在では惑星間通信についても研究している」と、最先端での研究についても語った。カーン博士は、「我々がこの分野について研究を始めたころは、ほかに同じ分野を研究する人は少なかったが、サーフ氏とともに社会に寄与したいと考えていた。政府から資金を得たあとは、その研究成果をいかに政府から社会に普及させていくかということに努めてきた」とし、さらに「ネットワーク社会は、今後も進化していくだろう。われわれが目にしているまだまだ初期段階で、氷山の一角である」とした。

 これを受けた質疑応答において、ネットの将来についての予測を求められたカーン博士は「具体的な予見は避けるが、ネットワークにより、均質化が進みつつある中、多様な意見や文化を維持していくことが必要になっていくだろう」と答えた。

 サーフ博士は、「我々は種々の情報をビットに残し、それをあらゆる場所から探し出すことができるようになったが、100年後、1000年後といった未来においても、その情報の意味を解釈する能力も同時に保持していかなければならない。今使用しているソフトで内容を見ることができても、100年後もそうとは限らないからだ」と情報社会の未来への課題を挙げた。カーン博士はまた、「この問題の解決策として、ハードウェアの保持、フォーマットのオープン化などが考えられるが、どれもまだ決め手がない。これから十分な研究が必要な課題である」とした。

 日本国際賞の授賞式は4月23日に開催され、受賞者それぞれにメダルと賞状、副賞として賞金5000万円が贈られる。また、国際科学技術財団のYouTube公式チャンネル「Japan Prize」を4月23日より開設することも発表されている。今後は同チャンネルを通しても日本国際賞の授賞式や受賞者のスピーチの模様ならびに同財団の活動についての情報を提供していくという。

受賞者合同記者会 左から、財団法人国際科学技術財団理事長の吉川弘之氏、ビクター・マキューズィック博士、ヴィントン・サーフ博士、ロバート・カーン博士、審査委員長の熊谷信昭氏
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