一方、ソフトバンクモバイルを除く既存事業の売上高は前年同期に比べてほぼ横ばい。これは「これまでYahoo! BBにかけていた労力を携帯電話事業に集中し、主力部隊も移したため」(孫氏)という。グループ内での経営資源を高い成長が見込める分野に1点集中する戦略だ。光ファイバ接続事業(FTTH)については「準備が整い次第攻めていきたい」とし、力を移す時期を慎重に見極めているようだ。
赤字の続く固定通信のソフトバンクテレコム(旧:日本テレコム)については、「買わないほうがよかったと、1年前に思ったこともある」と告白。ただし現在では、ソフトバンク本体に支払うソフトバンクブランドの使用料を除けば黒字に転換しているといい、利益の出やすい法人顧客が全体の85%を占めるようになったことで「インフラの先行投資が収穫期に入っている」とのことだ。
また、最近ではソフトバンクテレコムの法人顧客にソフトバンクモバイルの加入を促す営業を進めており、「これが思いのほか伸びている」として、「買っといてよかったな」と笑顔を見せた。
記者からは携帯電話業界のホットトピックに関する質問も数多くなされた。まず、NTTドコモとKDDIが導入を予定している、PCと接続した場合のデータ定額制の導入については「未発表のことにはコメントしない」とし、導入の可能性を匂わせるのみだった。
9月10日に免許申請が始まる2.5GHz帯については、申請する予定であることを明らかにした。ただし、具体的な点については「仮にイー・アクセスと当社の2社中心で申請するとしても、他の出資者を募る必要がある」と述べるにとどめた。
総務省のモバイルビジネス研究会は、携帯電話の料金について、端末料金と通信料金を明確に分離するよう求めている。ソフトバンクモバイルの新スーパーボーナスは端末料金の一部を通信料金の割り引きで補う形になり、総務省の求めに反する恐れがある。この点について訊かれると、「総務省が1つの方式を押し付けるのは消費者のためになるのか。これまで様子を見ていたが、徐々に私どもならではの意見を言わせてもらおうと思い始めている」と反発する姿勢を見せた。
また、携帯電話業界で現在、最も注目されている端末であるAppleのiPhoneについては、「すばらしい端末だと思います。以上です」と、憶測を避けるためか非常に短い感想しか話さなかった。
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