Sprint NextelとClearwire、米国内のWiMAXネットワーク構築で提携

文:Candace Lombardi(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年07月20日 13時05分

 Sprint Nextelとブロードバンド技術企業であるClearwireは米国時間7月19日、米国内を網羅する携帯電話向けWiMAXネットワークの構築に向けて提携すると発表した。

 WiMAXとは、高速データ転送と長距離伝送を実現するワイヤレス技術である。

 Sprint NextelとClearwireのモバイルWiMAXネットワークの速度は、一般的にケーブル回線を介してアクセスするインターネット接続の形態である有線のブロードバンドに匹敵する見込みである。ユーザーは、映画の全編を含むメディアファイルのダウンロードやビデオ会議など、ワイヤレス接続による作業にこのネットワークを使用することが可能になる。

 この提携は、政府の認可を待っており、60日以内に正式に確定する予定である。

 Sprint Nextelは、米国内の50の大都市地域で1億8500万人のユーザーを網羅するWiMAXを提供する計画で、Clearwireはそれとは別に1億1500万人のユーザーを網羅する計画である。両社は2008年末までに合わせて約1億人のユーザーにモバイルWiMAXネットワークアクセスを提供する予定である。

 今回の提携により、両社が個別に活動するよりも迅速に、次世代技術を展開することが可能となる予定である。また両社の共同声明によると、両社は1つの共通のブランド名の下で、同ネットワークの商品展開や共同マーケティングを共同で実施することも計画しているという。

 同声明によると、このようなコストのかかるネットワーク構築の負担を共有することは、「両企業の資本効率を高め、全体的なネットワーク開発および運用コストを削減する」ことにもつながるという。

 Clearwireの専門分野は固定ワイヤレスブロードバンドで、Sprint Nextelの専門分野はモバイルワイヤレスであり、どちらも総合的なモバイルWiMAXネットワークの構築に関係するため、今回の提携は、技術的に理にかなっている。

 同ネットワークが成功すれば、Sprint Nextelの売り上げの増加にもつながる可能性がある。同社はしばらくの間、軟調な四半期決算報告が続いており、アナリストらは、従来からのビジネスモデルにとらわれて苦戦していると見ている。

 モバイル技術の専門家であるCraig McCaw氏が創設したClearwireは、2007年3月に新規株式公開(IPO)を実施した小規模企業であり、すでに数社の大企業と提携を締結している。同社は6月に、DirecTVおよびEchoStar Communicationsとのワイヤレスブロードバンドサービスに関する提携を発表した。

 Clearwireの最高経営責任者(CEO)であるBen Wolff氏は声明で、「われわれが提携することにより、両社がそれぞれ個別に活動するよりも、より迅速な実現が可能となり、また両社のそれぞれの領域をより効率的に利用することができ、ユーザーには、より広範なネットワークが提供できることになる」と述べた。

 WiMAX技術に関し、技術企業と提携を結ぶ大企業は、Sprintが初めてではない。2005年にはMotorolaとIntelが、モバイルWiMAXネットワークの構築に向けて計画中であることを発表している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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