IPネットワーク市場で成長を続けるシスコ、その秘密は? - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、大熊あつ子、長谷睦2006年06月23日 21時09分

 この戦略により、Ciscoは、AlcatelやLucent、Nortelといった、単に通信トラフィックを運ぶだけの機器を事業の核に据える競合他社とは一線を画す存在となっている。たとえば、Nortelは光ネットワーク機器では市場の第一人者だ。また、Alcatelは、DSL向けの強力な製品群を開発した。そしてLucentは、携帯電話事業者向けの無線設備で強力な製品群をもつ。

 これらの事業のうち、Ciscoは光ネットワーク分野には進出したものの、DSLおよびワイヤレス分野からは距離を置く方針を選んだ(ただし光関連製品については今のところCiscoにとって満足のいく業績が上がっていない)。その代わり、同社はネットワークのさらなるインテリジェント化や付加価値の向上に注力している。

モバイル市場への野望は?

 Chambers氏は、AlcatelとLucentの事業統合については、Ciscoに対する競争力を高めるための防御戦術と捉えているが、SiemensとNokiaの提携については、Ciscoの製品群を補完する存在となる可能性を認めている。SiemensとNokiaはともに、通信事業者向けに無線技術や携帯電話端末を提供しているが、こうした分野にはCiscoはあえて進出しない戦略をとっているからだ。

 今のところ、Ciscoと無線ネットワーク分野の関わりは、同社製エッジルータ向けのソフトウェア提供にとどまっている。エッジルータのなかには、2.5Gあるいは3G GSMネットワークを利用して携帯電話ユーザーにインターネット、あるいは企業ネットワークへのアクセスを提供するものがあり、このソフトウェアを作成しているのだ。しかし、アナリストのなかには、Ciscoがモバイルワイヤレス市場についてさらに大きな野望を抱いてはいないのだろうかと、憶測する向きもある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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