FCCは、消費者団体と通信事業者団体からのプレッシャを受けて、USFの仕組みの変更を長らく検討してきていた。現行のシステムを批判する人々は、寄付金の計算方法を根底から変更する必要があると主張している。なぜなら、寄付金の大半は、実際の、あるいは推定された長距離通話の売上からもたらされるが、そういったものは、携帯電話および固定電話の世界におけるビジネスモデルが変化するに伴い着実に減少しているからだ。
21日に下されたFCCの決定は、大小の電話サービス会社を代表するU.S. Telecom Association(全米通信協会)によって拍手をもって迎え入れられた。
同組織のCEOであるWalter McCormick氏は声明において、「本日の決定によって、すべての音声サービスプロバイダーが同等に扱われるようになるため、われわれはこれを歓迎する」と述べている。
インターネット電話業界を代表するVoice on Net(VON)CoalitionのエグゼクティブディレクターJim Kohlenberger氏は、あるVoIP業界の推定によれば、今回の変更によって、月30ドルの月額料金を支払っている顧客にとっては、最大2.12ドルの値上げとなるだろうと述べている。また同氏は、同様の月額料金を支払っている携帯電話顧客にとっては平均1.21ドルの値上げとなる一方で、従来の固定電話を使用している顧客にとっては1.38ドルの値上げとなるだろうと述べている。
こういった金額は、FCCの規則に基づき設定される「セーフハーバー」寄付率に則り計算されたものである。この規則において、すべてのVoIPプロバイダーは、総売上の64.9%が長距離通話によってもたらされているとの仮定に基づいて支払額を計算することを義務付けられることになる。携帯電話のサービスプロバイダーがセーフハーバーを選択した場合の率は、FCCの規則に基づけば従来の28.5%から37.1%に増加することになるが、VoIPプロバイダーに比べればかなり低い率に留まっている。
Kohlenberger氏によれば、業界はこの差に困惑しているという。同氏は、「VoIPに対するFCCの取り組みは、交通問題やエネルギー問題を解決しようとして、SUVに補助金を出す一方で、エネルギー効率のよいハイブリッド車の普及を阻害するようなものだ」と述べている。
携帯電話やインターネット電話のプロバイダーは、別な寄付金の計算式を選択することもできる。この計算式を選択した場合、「トラフィック調査」として知られる複雑な分析を行い、売上に占める長距離通話の割合を決定することになる。この割合がセーフハーバーの割合よりも低い場合、理論上は、顧客が負担する追加料金は思っていたほど高くはならないことになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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