KDDI、売上高が3兆円を突破--番号ポータビリティは「チャンス」

永井美智子(編集部)2006年04月25日 22時19分

 KDDIは4月25日、2006年3月期の通期連結決算を発表した。1月にパワードコムを合併したことで売上高にあたる営業収益が伸び、初めて3兆円の大台を突破した。2007年3月期はユーザーが電話番号を変えなくても契約する通信事業者を変更できる「番号ポータビリティ制度」が導入されるが、販売促進に力を入れ、純増シェア50%を目指す。

表1:2006年3月期連結決算概要
金額(円) 前期比(%) 利益率(%)
営業収益 3兆608億1400万 4.8 -
営業利益 2965億9600万 0.1 9.7
経常利益 2940億100万 2.7 9.6
純利益 1905億6900万 ▲5.0 6.2

 2006年3月期の通期業績は、引き続き移動体通信事業が好調で、固定通信事業の減収をカバーした。移動体通信事業は契約者数が伸びたことで、営業収益が前期比8.6%増の2兆5103億9400万円となり、会社全体の収益の約80%を占めている。また、全体の携帯電話端末の調達コストを引き下げたことで、営業利益も同21.3%増の3544億3900万円と大きく伸びた。

 懸案となっている固定通信事業については、固定電話サービスの「メタルプラス」の拡販により、前期より赤字幅が610億円拡大して、613億円の営業損失となった。ただしNTTの基地局工事が進んでメタルプラスの開通数が180万回線を突破したこと、メタルプラス拡販によって、音声サービスの売上げが2006年3月期の上半期を底に上昇に転じていることから、2008年3月期にはメタルプラスが通期ベースで黒字化すると見込む。

 また、2006年6月からは光ファイバ(FTTH)事業に関して、東京電力と共同のブランドでサービスを提供する。2007年1月1日をめどに東京電力のFTTH事業をKDDIに統合する計画だ。

 2007年3月期の業績見通しについては、引き続き携帯電話事業が好調で増収増益を見込む(表2)。11月の番号ポータビリティ制度導入で携帯電話事業の販促費がかさむため、移動体通信事業の営業利益には微増にとどまるものの、「番号ポータビリティでユーザーの流動性が高まるのはKDDIにとってチャンスだ」(代表取締役社長兼会長の小野寺正氏)としてシェア拡大を図る。auとツーカーを合わせて純増シェア50%を目指しており、累計契約件数は前期比200万件増の2744万件と見込んでいる。

 また、固定通信事業については、メタルプラス契約件数が前期比95万件増の275万件、FTTHの累計契約者数が同12万件増の29万件となる見通しとしている。

表2:2007年3月期の連結業績見通し
金額(円) 前期比(%) 利益率(%)
営業収益 3兆2930億 7.6 -
営業利益 3180億 7.2 9.7
経常利益 3150億 7.1 9.6
純利益 1860億 ▲2.4 5.6

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