「ネットワークの中立性をめぐる懸念は大げさ」--AT&TのCEOが発言

文:Marguerite Reardon(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀、尾本香里(編集部)
2006年03月22日 21時21分

 ネバダ州ラスベガス発--ネットワークの中立性を維持するための法律は必要かという議論のきっかけとなる発言をしたAT&Tの最高経営責任者(CEO)Edward Whitacre氏は米国時間3月21日、同社を含む大手ネットワークプロバイダーがネットワークのトラフィックを妨げる可能性があるという懸念は大げさだと述べた。

 「プロバイダーがコンテンツへのアクセスを妨げるということは、プロバイダーを乗り換えるよう顧客に勧めるのと同じことだ。ビジネスとして良いことではない」とWhitacre氏は述べた。

 Whitacre氏は21日、当地で開催のトレードショーTelecomNext 2006での基調講演でネットワークの中立性について述べた。ネットワークの中立性は、事業者が提供するネットワークへアクセスするための料金をコンテンツプロバイダーごとに変えるのは妥当かという議論の中心となっている。また、米連邦通信委員会(FCC)委員長Kevin Martin氏も、基調講演で同問題について考えを述べた。

 これまで、Whitacre氏がGoogleなどの企業について、AT&Tのネットワークに「ただ乗り」するのは好ましくないと発言したとの報道がなされてきた。しかし、同氏は、顧客がコンテンツを利用できないという状況を作り出すつもりはAT&Tにはないと述べ、この問題についての自身の立場を明確にした。

 「AT&Tは、トラフィックを遮断することも、低下させることもしない」とWhitacre氏は述べ、「たとえどのようなことがあっても、(AT&Tの方針は)変わらない。消費者に選択権がある時こそ市場は最も機能する」と付け加えた。

 米国最大規模を誇るAT&TとVerizon Communicationsの2社が、二重構造のインターネットシステムを構築し、帯域幅を大きく占有するGoogleやYahooなどの企業に、他社より高額なアクセス料を課すのではという憶測が、IT業界で大きな問題となっている。

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