アジア勢に押されるノキア、北米でのシェアに陰り

 携帯電話機最大手のNokiaが、北米市場を「侵略」するアジアのメーカー各社の勢いに押されシェアを落としている。同市場では、これまで使っていたNokiaの端末から、より先進的なアジアメーカーの端末に切り替えるユーザーが増えていると、NEC幹部が米国時間15日に語った。

 Nokiaは同日、北米市場で同社のシェアが低下していることを認めたが、全世界の携帯電話市場では推定で31%のシェアを確保しており、下位メーカーとの間には依然として大きな開きがあるという。

 しかし、同社幹部は四半期決算の報告を行った電話会議のなかで、北米市場では前四半期と比べて端末の売上が減少するなどの問題を抱えていることを明らかにした。売上減少の主な原因は、販売台数の減少に歯止めをかけるために端末の価格を切り下げたことや、急激なドル安の影響だという。ちなみに、北米での売上は同社の携帯端末売上全体のうち15%を占めている。

 NECのマーケティングコミュニケーションズ部門でマネージャーを務めるAdrienne Campbellによると、ここ3カ月の間にNECをはじめとするアジアの携帯端末メーカーが、北米でNokiaの顧客を奪っているという。アジア勢は、和音の着信メロディなど先進的なマルチメディア機能を搭載した折りたたみ式の携帯電話機を出しており、それが顧客を魅了しているのだそうだ。

 「Nokiaのシェア低下の原因は、アジア勢の進出にある」(Campbell)

 北米以外の地域では、ヨーロッパでの同社のシェアが「著しく」低下しているが、これはもともと同社が始めた大幅な値下げの影響だと、Nokiaでは説明している。

 同社はこの日、第3四半期の業績予測を下方修正した。今期の業績低迷と同じく、携帯端末の価格が下落していることが原因だという。修正後の予測では、同社は第3四半期に1株当たり12セントの利益と、82億ドルの売上を計上する見込みだ。さらに、第1四半期の売上が前年同期より13%落ち込んだことも報告された。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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