競合各社の状況
過去2年にわたり、Juniper Networksは超ハイエンド向けルータ「T-series」を出荷してきたが、この製品へは強い需要があるようだ。Mitchellによると、直近の数四半期では、T-seriesの売上が、同じJuniperが出す従来製品「M-series」の売上を上回っているという。Juniperは、T-seriesルータが米国のBellSouthや日本のNTTコミュニケーションズなど、すでに60社を越える顧客のネットワークで導入されていると主張している。
Ciscoには今まで、Juniperのハイエンドルータ「T-640」に対抗できる製品がなかった。そのため同社は、昨年12月に「GSR 12800」という製品をリリースしたが、これは既存のGigabit Switch Router製品を拡張したものだった。この製品は2004年初めから出荷されている。
ところが、GSR 12800を投入してもあまり効果は上がらなかった。やはり、顧客は次世代製品の登場を待っているようだ。Ciscoのハイエンド向けルータの売上は同社の2004年第3四半期に約10%落ち込んだと、CEOのJohn Chambersは先頃行った電話会議のなかで語っていた。
Ciscoは依然としてハイエンドのルータ市場を支配しているものの、そのシェアは低下してきているとアナリストらは指摘していた。Infonetics Researchの調査によると、2004年度第1四半期の同市場におけるCiscoのシェアは約65%で、前年の平均値70%から減少したという。
一方Juniperは過去1年間でシェアを伸ばした。同四半期のJuniperのシェアは約26%で、2年前の平均値である20%から増加している。
Ciscoはまた、さらに小規模な企業からの競争にも直面している。Caspian Networks、Chiaro Networks、Procket Networksの3社は、それぞれ顧客を獲得し始めている。市場シェアがわずか2%しかないAviciも、Nortel Networksとの提携により顧客の数を増やし、シェアを伸ばすと見られている。
このような状況にあって、CRS-1はCicsoが市場の支配を維持するためのカギを握る製品と見られている。
「Ciscoはハイエンドのルータセグメントで遅れを取っているという見方が優勢だ」とMitchellは語り、さらに「MPLSの導入を進める通信キャリア各社は、現在Ciscoが出しているものよりも可用性とスケーラビリティの高い製品を必要としている」と付け加えた。
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