ネットワーク進化論、「変化に対応できるものが生き残る」

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年04月15日 19時08分

 「IPとイーサネットを利用したインフラを構築するのであれば、Extreme NetworksはCisco Systems以上のものを提供する自信がある。われわれは、設立当初の1996年よりIPとイーサネットを利用したインフラソリューションを提供するベンダーとしてイノベーションを続けてきたのだから」。Extreme Networks製品管理部門のバイスプレジデントVarun Nagaraj氏はこのように語る。15日に開催された同社主催のセミナーでの言葉だ。

Extreme Networks製品管理部門バイスプレジデント Varun Nagaraj氏

 Nagaraj氏は、「この世を生き延びられるのは、最も強い種でも最も賢い種でもなく、変化に最もよく対応できる種である」というCharles Darwinの言葉を引用し、「これはビジネスにもあてはまることだ」という。また、この言葉をネットワークにも関連づけ、「ネットワークの世界でもさまざまな変化が起こっている」と語る。「たとえばネットワークエッジに接続されるデバイスは、PCだけでなくPDAやIP電話、セキュリティカメラなど多岐にわたるようになってきた。また、セキュリティも重視されるようになってきた。こういった変化に対応できるよう、ネットワークも新たな機能を追加していかなくてはならない。それも、シームレスに、ネットワークを止めることなく行わなくてはならないのだ」(Nagaraj氏)

 このような変化に対応できるソリューションを提供すべく、Extreme Networksではアーキテクチャ、ASIC、ソフトウェアの3つの分野で積極的な研究開発を行っているという。

 まずアーキテクチャにおいて同社は、Unified Accessというアーキテクチャを提供している。これは、多種多様のデバイスがさまざまな方法で接続されている環境下でも、適切なサービスポリシーを提供し、統一的な管理が可能になるもの。「拡張性、運用管理性、安全性に優れたネットワークには、Unified Accessアーキテクチャが欠かせない」とNagaraj氏はいう。

 ASICにおける同社の取り組みは、これまでのSummit、“i”Series、Triumphに続く第4世代のASICとして4GNSSを開発し、昨年12月に出荷開始した同社の新製品BlackDiamondに搭載した。これは、「ハードウェアベースのLPM(LongestPrefix Match)、ワイヤスピードのIPv6、MPLSが可能となるもの。また、T-Flexというプログラマブルなパケット解析・編集機能を備えており、アップグレード時にネットワークを止めることなく新しいプロトコルに対応することも可能だ」とNagaraj氏は説明する。またセキュリティについても、「業界で最も大量の12万8000にものぼるACL(Access Control List)をサポートしている。このACLでセキュリティポリシーの設定を行うため、これより少ない数しかサポートしないスイッチは安全とはいえない。これでも十分ではないほどだ」とNagaraj氏。さらにセキュリティ脅威を発見するためのCLEAR-Flowという機能も備えているという。

 ソフトウェアについては、新たに開発したOSをBlackDiamondに搭載した。このOSは「業界初のUnix OS」(Nagaraj氏)だという。「Unixの拡張性と可用性を備えており、XMLベースで構成情報管理も可能。さらに、CiscoやJuniperなどのハイエンド製品でのみ提供されていた仮想スイッチング機能も備えている」とNagaraj氏。また同OSは、PCなどあらゆるプラットフォーム上で稼働することができるため、「スイッチのない環境でもトレーニングが可能なだけでなく、新たなアプリケーションをPC上で開発し、それをスイッチに搭載することもできる」とNagaraj氏は説明する。

 Nagaraj氏は、同社の新製品BlackDiamondが、同レベルのCisco製品やFoundry Networks製品などと比較したうえで顧客に採用されていると述べ、「スケーラビリティにおいてBlackDiamondが優れているためだ。ギガビットポートの数も他社製品より多く、ハードウェアレベルでLPMをサポートしている点も差別化につながった。セキュリティについても、CLEAR-FlowやACLのキャパシティにおいてはどこにも負けないだろう」と説明、同社製品の優位性をアピールした。

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