米Sandbridge Technologiesは6月30日(米国時間)、すべての携帯電話用通信規格に対応する無線チップを開発したと発表した。
Sandbridgeの広報担当、Jeffrey Schwartzによると、ニューヨーク州ホワイトプレインズに本社を置く同社は、このチップを電話機メーカー各社に向けて今年出荷開始し、世界初の「全世界対応電話機」も2004年末には登場するという。
「これは大方の予想より、3年から5年早いタイミングだ」(Schwartz)
Sandbridgeのチップは、ある無線通信規格から別の規格へと切り替わることができる、カメレオンのような携帯電話端末を実現する。無線端末は電話機内に保存された、もしくは無線でダウンロードされたソフトウェアを使い、Code Division Multiple Access(CDMA)やGlobal Systems for Mobile Communications(GSM)をはじめとする、各種無線通信規格に対応する。
これは携帯電話の設計としては非常に新しいもの。通常はソフトウェアがチップに書き込まれており、後から変更することはできない。
「このチップが携帯電話市場に大きな風穴をあけることになる」と同社のSchwartz。
数多く存在する通信規格すべてに対応することは非常に難しく、世界最大の携帯電話メーカーNokiaにとってさえ、それは変わらない。Sony Ericssonなどの一部の企業では、多様な製品ラインの開発に伴う財政面の負担の重さから、一部の規格への対応を断念する決定を下している。
さらに、通信各社は今後2年間に6つ程度の新たな互換標準を導入する見込みで、これにより規格争いはますます複雑化しそうである。30日には、Cingular Wirelessが北米の無線電話通信会社として初めて、Enhanced Datarates for Global Evolution(EDGE)規格を採用するネットワークを立ち上げた。なお、同ネットワークは現在インディアナ州インディアナポリス限定となっている。
IntelとTexas Instruments(TI)の両チップメーカーは、携帯電話向けの「SDR(Software Defined Radio)」として知られる技術を開発中だという。Intel関係者によると、「まだ研究段階に過ぎず、製品化はまだ数年後」だという。一方、TIの関係者からはコメントを得ることができなかった。
SandbridgeのSchwartzは、ヨーロッパとアジアの2社の電話機メーカーがSandbridgeのチップを採用した最初の携帯電話を製造すると言及したが、具体的な名前は明かさなかった。
採用候補として考えられるメーカーの1社は独Siemensで、同社はSandbridgeへの出資を同30日に発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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