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マイクロソフト、The Linux Foundationに加入

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2016年11月17日 10時45分

 MicrosoftがThe Linux Foundationにプラチナメンバーとして加入した。

 このニュースは米国時間11月16日、ニューヨーク市で開催中の同社の開発者向けイベント「Microsoft Connect(); // 2016」で発表された。

 Microsoftの前最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏はかつて、「Linuxはガン」と発言したことがあった。また同社は現在でも、「Android」製品ベンダーから特許使用料の支払いを受けている。さらに同社とそのパートナー企業は、Linuxに移行したミュンヘン市のデスクトップOSを「Windows 10」で置き換えようと今なお取り組んでいる。

 MicrosoftはLinuxだけではなく、オープンソースプロジェクトやオープンソースコミュニティーとの関わりを着々と強めてきている。例を挙げると、同社はここ12カ月の間に、オープンソースの「.NET Core 1.0」をリリースしたり、Windows 10上で「Ubuntu」イメージを実行するためにCanonicalと提携したり、「Microsoft Azure」クラウド向けのFreeBSDイメージをリリースするためにFreeBSD Foundationと連携したり、Xamarinの買収後に「Xamarin」のソフトウェア開発キット(SDK)をオープンソース化したりしている。またMicrosoftは現在、Azure上でのLinux使用に関してRed HatやSUSEとも提携している。

 また、Ballmer氏は最近、「SQL Server on Linux」の発表について、素晴らしいことだと述べている。

 Microsoftは変わった。現在の同社は、Azure上で「Debian GNU/Linux」をサポートしており、「MCSA Linux on Azure」というLinux関連の資格認定も設けている。また現在、Ubuntuベースの「HDInsight」によってオープンソースのビッグデータデータ処理技術Hadoopを利用できるようにもしている。さらに、MicrosoftのCEOは同社がLinuxを大好きだと発言しているうえ、同社はLinuxをベースにした「Azure Cloud Switch」という特殊なディストリビューションも開発している。

 デスクトップOS以外の分野、すなわちクラウドやスーパーコンピュータ、サーバといったありとあらゆる分野ではLinuxが優位に立っている。Microsoftには、この状況を覆すために赤字覚悟で賭け金を増額するか、現状を受け入れて利益を得るかという2つの選択肢があった。そして同社は後者を選択した。

 10月に発表された同社の2017会計年度第1四半期決算(9月30日締め)によると、Azureはコンピュート使用量が2倍以上増加し、売上高は116%増加した。Linuxの利用はますます増加している。Azure上のサーバインスタンスは3つのうち1つがLinuxになっているという。

 同社のクラウドおよびエンタープライズグループのエグゼクティブバイスプレジデントScott Guthrie氏は発表で、「われわれはクラウドプラットフォームを提供する企業として、開発者らがなじみのあるプラットフォームと言語を使用し、より多くのことを達成できるよう支援していこうとしている。The Linux Foundationは、Linuxの拠点となっているだけでなく、同コミュニティーが抱えている数多くの革新的なオープンソースプロジェクトの拠点ともなっている。われわれはThe Linux Foundationへの加入と、コミュニティーとのパートナー関係の樹立によって、開発者がインテリジェントなクラウドやモバイルエクスペリエンスへのシフトを活用していくうえで手を貸せるようになることに心躍らせている」と述べている。

 Microsoftは既に、The Linux Foundationが抱える複数のプロジェクトに貢献している。こうしたプロジェクトには、Node.js FoundationやOpenDaylight、Open Container Initiative、R Consortium、Open API Initiativeなどがある。


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