テクノロジで新たな“触感体験”を創造する--「ショッカソン2016」レポート - (page 3)

山崎晴貴(スパイスボックス テクノロジスト)2016年09月21日 10時00分

「ショッカソン2016」の総括

 今回、主催者3賞を受賞したチームは、過去2回のショッカソンと比較してかなり完成度が高かったことに誰もが驚いた。Happy Shocking賞のPing-Pong-Airは、「プレイするためのスポーツ」または「観戦するためのスポーツ」のいずれにも、触覚技術による拡張の可能性を感じさせるものだった。

 また、技術賞を受賞した、無言の圧力インターフェースは、これまでのショッカソンでも見られたコミュニケーションが題材の作品だった。しかし、これまでの作品が「私」と「あなた」といったマンツーマン・コミュニケーションだったことに対し、こちらは「1対多」のSNS的コミュニケーションをテーマとしており、“今日的”で新しいと感じられた。

 そして、大賞の「安眠ツールキット」。アイデアソンの時点では「首を締め付ける」という内容に、ネガティブな印象を受けたが、その後のリサーチと開発によって、誰もがその効果に納得するものとなった。ヘルスケアやメンタルケアといった領域への触覚技術の可能性を提示してくれたことは、ショッカソンの大きな成果となった。

 なお、残念ながら三賞からは漏れてしまったが、自分の脈拍を増幅し、自分自身の背中にフィードバックさせることで、VRコンテンツを視聴する気分を盛り上げるチームRTT の「感情倍増椅子」、音・振動・風を使って耳元でささやかれている感覚を作り出すチーム桃尻吐息の「桃色吐息」は、審査員からの技術的な評価が高かった。

感情倍増椅子
感情倍増椅子

桃色吐息

 2016年は、ショッカソンの協賛企業などから、各種イベントでの作品の展示機会が用意された。Ping-Pong-Airは、9月15日開催の「東京ゲームショウ2016」の慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科ブースや、リクルートが運営する「Mashup Awards 2016」のイベント会場でのデモが決定している。

 また、10月4日から開催される「CEATEC JAPAN 2016」のリクルートブースでも、ショッカソン作品の展示が予定されている。「百見は一触にしかず」。どこかで展示されている作品を見かけたらぜひ、体験いただきたい。


CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]