Twitter、「Buy」ボタンを廃止か--開発チームを解体の可能性

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2016年05月31日 13時43分

 Buzzfeedによると、Twitterは先ごろ、「Buy」ボタンの開発を担当するコマースチームを解体しており、チームメンバーの一部は他のチームに吸収されたが、別の一部は同社を去っていったという。Twitterの広報担当者はBuzzfeedに対し、TwitterがBuyボタン関連のリソースをDynamic Product Ad部門に配置転換することで、コマース分野に対する投資を実質的に増やしていると語った。

 TwitterのBuyボタンは、前最高経営責任者(CEO)のDick Costolo氏の下で始まった試みだった。同社は当時、そのコンセプトについて、ブランド各社が自社のTwitterフォロワーを、利益を生む顧客へと変える手段として支持していた。しかし、Twitterの共同創設者であるJack Dorsey氏が2015年10月に同社CEOの職を引き継いで以来、Twitterは、中核事業の前進に集中して取り組むことを明確にしていた

 Dorsey氏は、Twitterをオンタイムでのやり取りの場として見なし、新しいユーザーを引きつけ、既存ユーザーの不満を鎮めるための取り組みとして、現在のTwitterの使用感を洗練させることに着手した。

 つまり、Dorsey氏は、ショッピングのためにTwitterにアクセスする人はいないと判断した。だからといって、ソーシャルコマースというアイデアが完全に立ち消えになったわけではない。

 Walker Sandsが公表した「2015 Future of Retail Study」によると、2015年には、消費者の32%がソーシャルメディア経由で買い物をする可能性があると回答していた。ただし、特にTwitterについて尋ねたところ、同ソーシャルメディア上で買い物をする可能性があると答えたのはわずか6%だった。おそらく問題はBuyボタンやソーシャルコマースにあるのではなく、Twitter固有の問題であるということを、この調査結果は示唆している。

 MyWebGrocerのメディアおよびセールス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるGreg Stevens氏は、「Twitterには、広告のターゲットを効果的に絞り込むのに利用できる指標がない」と述べた。「消費者がTwitter上で示す購入意思は不十分であり、消費者の意向に関する洞察が十分に得られなければ、効率よく売り上げにつなげるのは困難になる」(Stevens氏)

 とはいえ、写真などが豊富な「Pinterest」などのソーシャルネットワークの場合、ユーザーは興味を持ったアイテムへのリンクを保存し、購入に至るまでの経路がはるかに明確になっている。

 市場調査会社Millward Brownの調査結果では、Pinterestユーザーの93%が同プラットフォームを使って購入を計画したことがあり、87%がPinterestだからという理由で、何らかの商品を購入したことがあると回答した。

 Pinterestに直接問い合わせたところ、「Buyable Pins」を利用している業者(2万社以上)は新規顧客を獲得し、売り上げを増やし、モバイルでのコンバージョン率が改善しているという。

 別の言い方をすれば、Twitterとは違い、Pinterestはソーシャルコマース分野から撤退する意思はまったくないということだ。

 購入ボタンについて広い視野で見ると、そのコンセプトが長期的に成功を収めるかどうかを予測することは依然として難しい。その一方で、アナリストらの意見は分かれている。

 長年にわたりMorgan StanleyのアナリストでKleiner PerkinsのパートナーであるMary Meeker氏は、「2015 Internet Trends Report」で、購入ボタンは携帯電話でのシームレスなショッピングに最適化さているため、次第に普及すると予想した。

 ForresterのeコマースアナリストSucharita Mulpuru氏は、より慎重な見方をしている。大規模で実際に導入された購入ボタンの実装はほとんどないため、この技術を取り巻く取り組みが成熟していないと述べた。ウェブで購入ボタンを導入しようとしている主なプレーヤーの中で、Googleが最も成功するだろうとMulpuru氏は説明している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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