Berkshire Hathawayによる約10億ドル相当のアップル株取得:バフェット氏は関与せず

Jack Schofield (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2016年05月17日 11時54分

 米国時間5月16日、Warren Buffett氏が約10億ドル相当のApple株を取得したと報じられた。Buffett氏はこれまで概してテクノロジ系企業株を避けてきたことから、このニュースは特に注目された。


 しかし、実際のところ、Buffett氏がApple株を購入したわけではない。株式はBuffett氏の率いる会社のために購入されたもので、同氏によって購入されたわけではない。Berkshire HathawayにはTodd Combs氏とTed Weschler氏という2人の投資マネージャーがおり、両氏はそれぞれ約90億ドルを管理している。Buffett氏がThe Wall Street Journal(WSJ)への電子メールで認めたように、Apple株を取得したのは、それらの投資マネージャーの1人である。WSJは次のように報じている。

 「四半期ごとの当局への届け出で明らかにされたすべての少額のポジションは、ほぼ間違いなくこれら2人の投資マネージャーによるものだ、とBuffett氏は繰り返し述べた。同氏は16日の電子メールで、Appleに関してもそれが事実であることを認めている。同氏は、2人のどちらがApple株を取得したのかは明かさず、また彼らから取得する株式の相談を受けることもない、と付け加えた」

 つまり、「Warren Buffett氏が10億ドル相当のアップル株を取得した」というニュースの見出しは間違っていたことになる。

 またYahooの案件に関しても、「Warren Buffett氏がYahooを買収しようとしている」というのも、厳密には事実でない。

 Yahooのウェブベースの事業を買収しようと、Verizonなどが交渉している。その他では、Quicken Loansの共同創業者でCleveland CavaliersのオーナーであるDan Gilbert氏が率いるコンソーシアムも交渉を進めており、Gilbert氏とBuffett氏の間には親交がある。そしてReutersによれば、「Buffett氏は買収提案を資金調達の面で支援している、と情報源は話している」という。

 記事では、Buffett氏やQuicken Loans、そして、Yahooからもコメントを得られておらず、これ以上のことはわからない。

 この件の本質は、Warren Buffett氏が「Yahooを買収しようとしている」ということではなく、Berkshire Hathawayが現金を用意し、おそらく見返りに少なくとも10%の年利を得ることで、銀行のような役目を果たす準備を進めているということなのだろう。

 もちろん、Berkshire HathawayがHeinzを買収したときのように、Yahooの従来の事業から発生する何らかの新組織の一部をBerkshire Hathawayが所有することになる可能性はある。しかし、YahooがBuffett氏の好みそうな株式になるのは、まだまだ先のことだ。実際に、Buffett氏が本当にYahoo株を欲しがっているのなら、それを購入する機会は数十年前から存在している。しかし、同氏は未だにそれを実行していない。このことは何かを示しているはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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