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コネクテッド・カー市場の可能性--DeNA、ソラコム、ガリバーが語る

2016/02/22 07:00
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 ニュースメディア「THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)」は2月19日、スタートアップに特化したイベント「THE BRIDGE Fes」を開催した。

 パネルディスカッション「コネクテッド・カービジネス最前線、スタートアップのチャンスはどこに?」では、ディー・エヌ・エー(DeNA)、ソラコム、ガリバーインターナショナルの3社が、それぞれの視点からクルマ×テクノロジの可能性について語った。

パネルディスカッション「コネクテッド・カービジネス最前線、スタートアップのチャンスはどこに?」
パネルディスカッション「コネクテッド・カービジネス最前線、スタートアップのチャンスはどこに?」

個人間カーシェアリングを提供するDeNA

 DeNAは、個人間のカーシェアリングサービス「Anyca」を、2015年9月から提供している。クルマを使わない間はシェアしたい“オーナー”と、必要な時に好みのクルマを使いたい“ドライバー”をマッチングする。待ち合わせ場所でクルマを受渡し、ドライバーは運転後にクルマを返却する仕組みだ。

 なぜ、モバイルゲームを主力事業としてきた同社が、全く畑が違う自動車領域を選んだのか。その疑問に対しDeNAの大見周平氏は、企業としてさらに成長するには、ゲームというオンラインのコンテンツだけでなく、リアル事業にも参入しなければいけないと考え、さまざまな領域での可能性を模索していたと説明。

DeNAの大見周平氏
DeNAの大見周平氏

 その中で、クルマは他の領域と比べて市場規模が大きいこと。また、自動運転などのテクノロジによって今後、法律自体が大きく変わることが予想されることから、小規模なベンチャーなどと比べて、すでに国や自治体とのつながりがある同社が手がけたほうがチャンスがあると判断したと語った。個人間のカーシェアリングについても、「遺伝子検査をやっていた関係で、法律については行政から適切なアドバイスをもらっていた」(大見氏)そうだ。

 今後は、オーナーが車両にOBD2端末を設置することで、ドライバーがアプリでドアロック制御をできるようにするトライアルを4月以降に開始予定。端末はHKSと共同開発しており、クルマの加減速やハンドル操作、走行距離などのビッグデータも取得できるようにする。ただし、セキュリティの問題もありメーカーとは調整が必要だとした。

IoT向け通信サービスのソラコム

 ソラコムは、IoT向けに通信サービスを提供するMVNOだ。NTTドコモの基地局を利用しているほか、モバイル通信のコアネットワークとサポートシステムを、Amazon Web Services (AWS)のクラウド上に実装することで低価格な通信サービスを実現した。同社が提供する「SORACOM Air」は、IoTデバイスにSIMカードを挿し込むだけで、1日10円からの従量課金で通信サービスを利用できる。また、通信速度の変更や休止/再開などを、一括操作して管理できる。

 2015年9月末にサービスを開始し、すでに1500を超える事業者に導入されているという。クルマ領域でいえば、日本交通がタブレットに再生されるCMを視聴するとポカリスエットがもらえるキャンペーン「ポカリタクシー」を期間限定で展開。また、北海道の十勝バスは、路線バスにSIMを入れて運行情報をリアルタイムに知らせるアプリを提供している。

ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏
ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏

 ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏は、「1台が走って生み出すデータ量はすごい。また、IoTの課題は電源だがクルマのバッテリは無限大なので心配がいらない」と、クルマが持つ可能性について説明。レクサスやテスラなど一部の高級車ではすでにインターネットに常時接続していることから、多くのクルマがクラウドにつながる日も遠くないのではないかと持論を述べた。

 また、クルマが住宅や街とつながることによって訪れる未来についても語った。デザイニウムが提供する、除雪車にSIMを入れて位置情報を管理するシステムを紹介し、今後は住民が自宅周辺をいつ除雪してもらえるのか分かるようになると説明。また、BMWが発表した事例として、局地的にワイパーを動かすクルマが増えるといったデータを取得することで、天気の予測モデルなども作れるようになるとした。

 一方で、クルマがインターネットにつながることで、悪意のある相手からハッキングされるのではないかといった懸念もある。この点については、同社では閉域網にプライベート接続できる通信サービスも提供するため、テクノロジによって解決できるとの見方を示した。

中古車からIoT化を進めるガリバー

 ガリバーといえば中古車情報サイトとして知られているが、実は同社の新規事業開発室は、DeNA、アイレップ、NEC、グリー、サイバーエージェントなど、IT系企業出身者などによって構成されており、クルマのC2Cマーケットアプリや、コネクテッドカープラットフォームなどを手がけているそうだ。

 クルマは、販売やメーカー、カーナビ、さらにはOSなど幅広いレイアーの事業者が存在するが、この中でガリバーは物流に該当し、現在は国内に約500店舗を展開している。ガリバーインターナショナルの許直人氏は、全国に約8000万台のクルマがあるが、そのうち新車として入れ替わるのは約400万台程度であり、新車のみの対応を待っていてはIoT化は中々進まないと指摘。そこで、同社では中古車側から対応していきたいと話す。

ガリバーインターナショナルの許直人氏
ガリバーインターナショナルの許直人氏

 また、クルマの稼働率は約3%しかないと話し、今後は自動運転やカーシェアリングなどによって、より生産台数が減るだろうと予想。そうした状況でも変わらないのは消費者の“移動体験”だとし、必要とされるサービスを流通網の視点から開発してきたいとした。「クルマ業界は障壁も高いしバリューチェーンもある。今後は、さまざまな企業と提携しオープンな市場にすることで、コネクテッド・カーの障壁を下げていきたい」(許氏)。

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