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“コピー機の会社”からの脱却--富士ゼロックスがベンチャーと組んだ狙い

2016/02/12 11:00
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 新たな事業アイデアを求めてベンチャー企業と手を組む大企業が増えているが、その多くはベンチャーが提供するサービスや製品そのものと連携するものだ。そんな中、複合機で知られる富士ゼロックスは、ベンチャー企業を通じて広くアイデアを募るというユニークな手法をとっている。

 同社は2015年12月、次世代ソリューションやサービスに向けたコンセプトを開発するため、一般のオフィスワーカーや生活者からアイデアを募集し共に作りあげる、オープンイノベーションプロジェクトを開始した。ここで同社がパートナーとして選んだのが、共創ものづくりプラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」を提供するA(エイス)だ。

ものづくりプラットフォーム「Wemake」
ものづくりプラットフォーム「Wemake」

 Wemakeは、メーカーが全国の生活者と商品を共創できる、ものづくりプラットフォーム。「この技術やノウハウを使って商品化したい」「こんな原材料を使って新しいことができないか」というメーカーの要望に対して、一般消費者やクリエイターが思いついたデザインを投稿。その後、ユーザー投票とメーカー審査によって選ばれた1つのアイデアを、メーカーと投稿者が商品化に向けて試作検討をしながら具体化する。

 完成した商品はWemakeショップや全国の小売店に並び、その売上の一部をユーザーに支払う仕組みになっている。アイデアを出した人、ネーミングした人、キャッチコピーをつけた人、商品化に重要なコメントをした人など、商品化への貢献度に応じて支払われる報酬が変わる。2013年11月にサービスを開始し、これまでに王子製紙、貝印、コクヨなどの大企業に採用されているという。

「Wemake」の仕組み
「Wemake」の仕組み

「富士ゼロックス=コピー機」というイメージを変える

 「コピー機や複合機というイメージを変えていきたい。大きくソリューションに舵を切りたいが、既存事業も大切にしていかないといけない。また、大企業になるとリスクに対して勇み足になるところもある。このチャレンジとリスクのバランス、非常に歯がゆいところを打破したいという思いがあった」――富士ゼロックス 商品開発本部 群企画部 技術戦略グループ グループ長の馬場基文氏は、Wemakeを採用した狙いをこのように語る。

 このプロジェクトは、有志で集まった富士ゼロックスの若手社員を中心に進められているという。実際、Wemakeの存在を知って社内で提案したのも、現在35歳で商品開発本部 群企画部に所属する大川陽介氏だったそうだ。

富士ゼロックス 商品開発本部 群企画部の大川陽介氏(左)と、A代表取締役の大川浩基氏(右)
富士ゼロックス 商品開発本部 群企画部の大川陽介氏(左)と、A代表取締役の大川浩基氏(右)

 「これまでも、自社でハッカソンを開催したりベンチャーと組んだりしてきたが、より顧客の課題を解決して世の中に価値を提供する方法を模索する中で、Wemakeに出会い、すぐに『これだ』とピンときた」(富士ゼロックスの大川氏)。そこで、馬場氏とAの代表取締役である大川浩基氏(偶然にも2人とも苗字が「大川」)を引き合わせたところ、すぐに意気投合しプロジェクトが始動したのだという。

「近未来のソリューション」アイデアを公募

 富士ゼロックスが今回、Wemakeを通じて募ったアイデアは「価値あるコミュニケーションを実現する近未来(2020年~2030年)のソリューション」。複合機をコミュニケーションのあり方を変えたツールと捉え、“機械のプロダクトデザイン”ではなく、“そのコンセプトによって実現されるユーザー体験のデザイン”をサブテーマとして設定した。複合機に限らない広い視野で、顧客に必要とされるソリューションやサービスのコンセプトが生まれることを目指すとしている。

プロジェクトの概要
プロジェクトの概要

 プロジェクトの流れはこうだ。2015年12月9日~1月27日まで、Wemakeでテーマに沿ったコンセプト案を公募。すでにこの公募は終わっており、2月27日~3月3日に、約1万人のWemake登録ユーザーによる投票によって、約100~300案のコンセプトを10案前後まで選抜する。その後、3月16~28日に、より具体的なコンセプトとするため、富士ゼロックス社員と投稿者が打ち合わせをしながらアイデアを改善。4月1~3日に2回目の投票を実施し、受賞作品を決める。最優秀賞1点には50万円、優秀賞2点には20万円の賞金を授与するという。

 実は「2020~2030年」というテーマ自体も、Wemakeのアクティブユーザーからのフィードバックを受けながら設定したとAの大川氏は振り返る。また、富士ゼロックスの大川氏は「社内には研究開発部門もしっかりあるので、価値を実現するためにチャレンジできる距離はどれくらいなのかを議論した。(2020~2030年は)一番、未来としてこういうことができたらいいなと想像できる」と意図を語った。

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